第2話

「あと一つ、こっちの世界は進んでいて....そうですね、この世界はフルダイブの被検をさせていただいたのですが、これは未来から過去に戻っていただいたということです。」

 

 ?過去に戻った、? 今は未来?え?


「ここは何処なんだ?何年だ?」


「「西暦」で表せば2300年です。」


 2300年...? 俺がいたのは確か2018年だったはずだ........


「300年も過去に戻っていたという事か?」


「そうです。 記憶が無いのは過去に戻れるということがあり、宝くじ等のギャンブルで大儲けされたり、災害などの時期や番号を知っている為、消してあります、記憶が消えるなども含めの3億ですから。」


 俺は今2300年で本当は2300年の人間で、でも記憶が無くて2018年の.......?


「あ、ちなみに2018年以前の記憶は適当に記憶として植え付けてあります、なので実際に体験している期間は3年です。」


 俺は26歳の会社員で1992年生まれというのは植え付けで本当の記憶ではない....

どこかで聞いたことがある。「世界五分前仮設」という物だ、5分以上前の記憶があっても反証にならず、偽の記憶を植え付けられ5分前に世界が始まったかもしれないという説だ。 考えるだけで恐ろしいがそれが身に降りかかるとなるとな......


「訳が分からん、分かったが分からん、急に言われても」


「そうですよね、みんなそうなります。」


う~ん、分かったけどわからん、ヨクワカンナイネ


「ちなみに3億使って、フルダイブもう一度体験できますよ。今の記憶は消しますけど。」


 もう一度、やり直す?というか戻れるのなら。

ありなのかな?


「うーん」


「ちなみに2300年は2200年のインフレで3億はサラリーマン5年分の年収位になってます。」


「はあああああああああああああ???????」


 確かに何が起こるかわからないけどさぁ........


「どうします?戻るか、戻らないか 選んでください」


 戻ればもう一度(一応)やり直せると.......

この2300年に居てもすることないしなぁ.....もう一度やるか.....


「ではお願いします。」


「分かりました、こちらへどうぞ。」


 どう2018年にフルダイブするんだろう.........


「あ、勿論今の会話の記憶消えますよ、飛ぶ先は貴方が飛び込まなかった世界の方です。安心してください、戻ってすぐ飛び込んでまた戻ってくるなんてないですから。」


「はい。」


「では、楽しかったですよこの短い会話も。」


「面白いものを聞かせてもらったよ....結局消えちまうど。」


「では。よい世界を」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る