きみはともだち
日月中
きみはともだち
ぼくは、ともだちに会いに行く。
毎日ちがうともだちに、会いに行く。
月曜日のともだちは、絵をかくのが好きだ。
今日は車の絵をかいた。
ともだちは絵が上手いけれど、ぼくは絵が上手くない。
ぼくは一枚だけ絵をかいて、ともだちに見られないようにかくした。
火曜日のともだちは、歌うのが好きだ。
ちょうちょうの歌。
ぞうさんの歌。
雪の歌。
春の歌。
雨の歌。
ともだちは僕にコンサートみたいにして歌を歌ってくれる。
ぼくはおんちなので、ともだちの歌をきくだけにした。
水曜日のともだちは、本を読むのが好きだ。
なんにもしゃべらないで、ただずっと本を読む。
ともだちは、むずかしい本をとてもたのしそうな顔をして読んでいた。
ぼくは字だらけの本は苦手なので、まんがをもっていった。
木曜日のともだちは、ぼくがきらいだ。
ぼくが部屋に行くと、ものをたくさん投げてくる。
でもぼくはともだちが好きだ。
だから、ドアをはさんでぼくはともだちに話す。
今日のできごとを。
金曜日のともだちは、泣き虫だ。
ぼくにものをたくさん投げたことを泣いてあやまってくれる。
でもぼくはおこったりはしていないので、いつもともだちを許す。
そしてねむくなるまで、手をつないでお話をするんだ。
土曜日のともだちは、電話だけ。
ほんの少しだけ。
声だけで、きみに会いに行く。
日曜日のともだちは、ずっと寝ている。
お話することができないけれど、ぼくはそばにいる。
もしかしたら、
ひょっこり起きて、ぼくに話しかけてくるかもしれない。
だから、ぼくはともだちのそばにいる。
そして夕方になると、ぼくはうちに帰る。
また明日、と声をかけることをわすれずに。
君はともだち。
ぼくのたいせつなともだち。
どんなきみも、ぼくのともだち。
きみはともだち 日月中 @atsuki_05
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