前のエピソード――32話　街歩き

夏目蘇芳（35）

汎用機関（ハイブリッドエンジン）を発明した星間機構の科学者であり、炭素結合で物質を具現化させる魔法『黒（ブラック）の創造主（スミス）』の使い手。くわえて、その力と同じ名を冠する機神（マキナ）の開発者兼パイロットであり、異星の異形を数多く抹殺してきた。現在、外宇宙調査団に所属し、調査と討伐のため地球に在住。

ルシア・ネーベルング（24）

白銀の騎士甲冑ドレスに身を包み、日本刀と投擲ナイフの二刀流を駆使する殺し屋。『ネーベルング商会（カンパニー）』の命令で、研究目的のため瑠禰を攫いに現れるが、蘇芳に敗北。さらに命を救われたことから、付け狙うようになる。亡き母は地球最後と呼ばれた魔女だが、本人にその力は遺伝していない。

瑠禰

学院（アカデミー）の女性科学者、アンバー=ベルンシュタイン博士の手で作られた、メイド型アンドロイドの少女。辺境の惑星で双子の弟の璃緒や機械龍のファフナーと暮らしていた。ロボットであるにもかかわらず治癒の魔術が使えることから、異形殺しの魔術結社『ネーベルング商会（カンパニー）』に狙われるようになる。

璃緒

アンバー博士の手で作られた執事型アンドロイドの少年で、瑠禰の双子の弟。機械の調整や修理、運転、庭仕事などこなせる。瑠禰が狙われ、家族同然だったファフナーをウィルスに犯されたため、二人を救う手立てを見つけようとする。戦闘用アンドロイドではないが、身のこなしは人間を上回る。

ウル

蘇芳の研究及び戦闘をサポートする人工（A）知能（I）。五感全ての感知に長け、多言語を解し、加えて屋敷の電子機器全てを管理している。蘇芳とは対照的にテンションが高く、地球の娯楽風俗に精通している。

夏目紫苑（22）

星間機構地球支局瀬戸内海支部異星人居住管理課の職員であり、蘇芳の妹。異星人の惑星間移動から戸籍の管理、生活トラブルの相談にも応じる、表向きは市役所の職員。地球暮らしが長いため公私共に蘇芳を支え、異星人犯罪が起きた場合は必ず兄に相談する

七瀬薫（36）

宇宙科学技術学院（アカデミー）のロボット工学科に所属する科学者。蘇芳とは高等科以来の同期であり、友人。ロボットと人間の感覚共有のプログラムを発明したことで、『縹』の称号を持つ。気さくで面倒見がいい。現在、機神（マキナ）の研究開発に取り組んでいるため、公私共に蘇芳と関わることが多い。

秋葉原白夜（63）

宇宙科学技術学院（アカデミー）のロボット工学科学部長にして、四大貴族秋葉原家現当主。軍や議会に対しても傲岸不遜な態度を貫くが、それはロボットに関してずば抜けた発想と技術を持つゆえのこと。調査団に所属しながら機神（マキナ）の開発と操作技術双方に長けた蘇芳を疎ましく思う。

浦部直次（36）

宇宙科学技術学院（アカデミー）電子情報工学科の卒業生で蘇芳の同期。今は星間ネットワークを介したオンラインゲーム『コスモ・オンライン』を管理運営するIT企業『カタナ・インダストリ』のプログラマー。口の軽い軟派だが、頼まれ事は最後まで引き受けるほど責任感は強い。

神無月神楽（36）

星間機構防衛作戦部にて第四機神旅団の副団長を務めると同時に、機構設立に関わった四家に連なる十二貴族の一つ、『神無月』の若き当主。蘇芳の幼馴染みであり、技術者兼パイロットとして蘇芳の腕を高く買っている。

極月泰山（36）

防衛作戦部第四機神旅団偵察隊隊長。偵察が主な任務なため、生身でも異星人と渡り合えるほど武術の達人。心身ともに質実剛健かつ生真面目で正義感が強いため、神楽からの信頼は厚い。

科学者でありながら、軍の仕事に介入する蘇芳が気に入らない。

レナード・ネーベルング（48）

地球経済を支配する多国籍企業にして異形をも殺す秘密結社『商会（カンパニー）』の会長。北欧由来の魔術の大家ネーベルング家の現当主にして、自身も錬金術に優れた魔術師。アンドロイドでありながら魔術を使う瑠禰に目をつける。

イタカ（42）

『ネーベルング商会（カンパニー）』会長の用心棒。レナード同様に生粋の魔術師であり、風と水の二重属性を操る。ネーベルングの魔女から教えを授かっており、禁断の秘儀を使って古き異形の旧支配者に擬態する。生身の姿では、剛腕とナイフを用いた近接格闘を得意とする。

アンバー=ベルンシュタイン

元・宇宙科学技術学院（アカデミー）の惑星鉱石学科学部長。出自不明だったが、科学の才能を見抜いた院長の推薦で学院に招かれ、アンドロイドの研究開発で多大な功績を残したことから、『琥珀』の称号にちなんで自身をアンバーと名乗るようになった。退職後は辺境の惑星スカイに隠遁、自身が生み出した双子に見守られながら寿命を全うした。