第2話 葬儀会館には霊がいる

 これもよく聞かれる質問です。私的にはないない、なのですが。

 一部の方はあるあると言います。決まった時間に防犯カメラにもやが映ったり、物音がしたり、勝手にモニターがついたり、上映中の思い出の映像が止まったり、中には座敷童を見たり、女の子の霊を見た、という人もいるので何かしら誰かしらいるのではないでしょうか。その手のものが見える方にとってはやはり気分が悪くなる場所なのかもしれません。

 葬儀会館といえば、暗く、悲しく、どんよりとした、そして堅苦しい場所。そんなイメージのせいか、普段は見えない何かが出てくるのかもしれません。

 あいにく私は何も見えず、感じないほうの人間です。しかし、ある日一日に何件も葬儀を行うことができる別の会館に応援に行ったときはその葬儀会館の臭いに驚きました。明らかに臭いが違うのです。いかにも、亡くなった方を大勢お預かりしています、といった臭いが。

 具体的にどんな臭いとも言えないのですが、埃っぽく、じめじめと、どんよりとした重苦しい臭いでした。

 また、複数の家の葬儀を行うことができる会館は絶えず線香の臭いがします。私はもう慣れてしまったのですが、たまにお参りをする際にお線香をあげない宗派、極端に言えばキリスト教や神社神道の方がいらっしゃった時には顔をしかめられることもしばしばありました。

 ただ今の時代、葬儀会館もホテルのように綺麗にしているところが多いです。空気清浄機があったり、給茶機があったり、ゆったりと寛げるふかふかのソファーがあったり、中にはアロマのお香を焚いている場所もあるとかないとか…。

 最近ではある程度清潔で、小綺麗なイメージに変わりつつあるのではないかと考えます。


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