第18爆弾 アーティディスカバー

 捌いた石狼(せきろう)の肉は乾燥させて干し肉にした。保存食にしたのだ。

「ここを離れよう」

 クエストは準備しながら言った。

「拠点を変えるの?」アーティが聞いた。

「それもあるし、ここから出る方法も考えないといけないしな」

「そっかー、ここにいてもつまんないもんね」

「ある程度地図も作れたし、そろそろな」

「そうよね。ここにいても食べ物がなくなるものね」

 リンスは片付けをしながら言った。


 アーティたちは拠点から南に進むことにした。道すがら落ちていたものを拾っていく。クエストが何かに使うようだ。

「なんで南なの?」アーティがもっともな質問をした。

「そうだな。強いて言えば落ちていたものだな」

「落ちてたもの?」

「ああ。黒い塔があっただろ?あれがあるってことは出口が近いはずだ、とおれは考えている」

「ボムパパかしこいね!」

「そんなことはないさ。アーティがいるからできることなんだよ」

 そう言ってクエストは微笑んだ。

「そうね。アーティちゃんがいてくれたから心強いわ」

 リンスも微笑んでいる。

「うん!早く出られるといいね」

「ああ!」


 アーティたちはそのまま進み、休憩を取ることにした。

「とりあえずここに拠点を作ろう」

「そうね」

「じゃあ散歩してきてもいい?」

「いいよ。景色はあんまり変わらないだろうけどな」

 アーティは散歩することにした。

「広いなー。どこまであるんだろ」


 鼻歌交じりに歩いていると、次の瞬間なぜか尻もちをついていた。

「いたたたー…何?」

 起き上がって手を伸ばしてみた。すると空中に壁のような感覚があった。

「これって、もしかして……」


 クエストたちが拠点の製作をしているとアーティが戻って来た。

「おかえりアーティちゃん」

「おかえり」

「ボムパパ、ボムママ大変…!大発見だよ!来て」

 クエストたちがついて行くとアーティは空中を指差していた。

「これは、空間の端なのか?」

「そうだよ。これ以上先には行けないから」

「すごいじゃない!」リンスは喜んでいた。

「大変なのはこれからだぞ。まだやることは多いからな」

「いいよ。三人いれば大丈夫!」

「そうね。やりましょう!」

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