第2話 実は落ち目のホエールキング




ホエールキング役員会議にて・・・





汗っかきな男は資料の説明を続ける。




「今年度の業績は・・・軒並み下方修正であり、大変苦しく・・・」



「あの・・・一部の意見ですが、役員の方々の給与を減らしてはどうかと・・・」




「とんでもないッ!!」




「何を言っておるのだね」

「君ぃ・・・暖かいところは好きかね?」




「すいません。すいません。出過ぎたことを」





「・・・・やはり、下部の者の給与を減らして、人員を削減するしか・・・」


「しかし、社長、今の時期は出荷の最盛期ですので・・・これ以上退職者を増やしては人手不足になります」


「ならば、異国人を使えばいい、彼らは安い給料でも働いてくれるぞ?」




「ふーむ」




社長は首をかしげて、考えるふりをする。




抜本的な解決は不可能だと思われた。




規模が大きくなるにつれて、組織の車輪は大きくなり

その歯車の回転は、徐々に徐々に鈍くなる。



それでも無理やりにでも・・・

車輪を回し続ける、利益を出し続けることが会社の責務だ。




いつ止まってしまうか、壊れてしまうかわからないけれど

私はそれにムチを打つ。





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