DIECI
※ 最後だけ第三者目線になります。
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代表者挨拶、学園長挨拶(どの世界でも話が無駄に長いのねぇ。 長けりゃいいってもんでもないでしょうに。 話の要点が分かりにくいのよ!)が終わるとクラス分けの発表よ。 講堂の外にでると大きく張り出されていたわ。 クラスはSABCの4クラスあって、1クラスは15名ほどよ。
「....... 俺..... もうダメかもしれない....」
「アイオス何言ってるんだい? 当然の結果だろう?」
テストの結果が散々だったアイオスはもちろん最底辺のCクラス。 それでも発表を見るまでは望みを捨ててなかったらしいわ。 ふっ‥‥甘いわねぇ。 ちなみにリズとワタシはSクラスよ。
ヒロインちゃん‥‥はBクラスね。 あ、あら‥‥ ジェラルドもBね‥‥ 前代未聞だわ‥‥。 国王陛下に怒られるんじゃないかしら…。 あれ? でもおかしい... ゲームでは確かアイオス以外はSだったわよね? ん~~~~、まあ‥‥ いっか。ゲームはゲームよ。 今、この世界ではちゃあんとワタシが生きている現実の世界だもの。 違ってたっていいわよね。 例え
「まあ、そんなに落ち込むなよ。 後で入学祝いも兼ねてお茶会でもどうだい? 勿論
「行く」
さすがアイオス。 即答したわね... 立ち直りがほんと早いわ。 って感心してたら後ろから肩を叩かれた。 振り返るとそこには生徒会長のリオンが立っていたわ。
「失礼、 オルベール卿。 話があるのだが少しいいだろうか?」
「えっ? え、ええ。 サルーシュ先輩。 何でしょうか?」
「ここではちょっと....な。 私についてきてくれ」
リオンは周りを見渡し、少し言いにくそうに小声で話すと歩き始めた。 ワタシはその後をおいかけたわ。 移動中は話しかけられることもなくお互い無言。 そろそろ気まずいかしら~と思ったところでリオンが立ち止まった。
「入ってくれ」
そう言われてリオンが示したドアを見ると『生徒会室』と書いてあった。
ゲーム画面では見たことあったけど、実際の生徒会室の中は20畳くらいの広さで、大きめの窓からはたっぷりと採光が取れ、とっても明るいわね。 窓際には執務用の重厚な机が3台あって、1台はリオンの机でもう2台は書記用と会計用かしら。 手前には応接セットがあって、ここでミーティングしたりするのかしらね。
リオンに促されてその応接セットに座ると、リオンもワタシの正面に座り、長い脚と指を優雅に組むと話し始めた。 さすが攻略対象のクーデレ担当ね‥‥その姿がすごく絵になっているわ‥‥。
「わざわざ移動させてすまない。 話と言うのは‥‥ オルベール卿は生徒会に興味はないだろうか?」
「どうぞ、エドナーシュとお呼びください。 サルーシュ先輩」
「では、私の事もリオンと。 エドナーシュ君はプレイスメントテストの首席だと聞いた。 将来は御父上の後を継いでこの国の宰相職を考えているのだろう? ならば国ではないが学園と言う小さな社会の、政治の中枢である生徒会で勉強してみる気はないか?」
「生徒会‥‥ ですか。 ご存じかもしれませんが僕は自分の
「‥‥そうか、残念だが無理強いはできないしな。 だがもし、気が変わったなら来てくれ。 こちらはいつでも歓迎する。」
「お役に立てず、申訳ありません。リオン先輩」
生徒会も面白そうとは思うけど(裏方とか何気に好きだし)物理的に時間が取れないのよねー。 席を立ってリオンに挨拶すると、ワタシは入学式も終わったことだしと、お茶会の準備(主にスイーツ作り)をしに寮へ戻ろうと歩き出した。
中庭を見渡す長い廊下に差し掛かった時、向こうから最近よく見かけるピンク頭がキョロキョロしながら歩いてきたのが見えたわ。 ‥‥あっ。 これ、エド様のイベントじゃない‥‥。 えーっ! アンタジェラルドルートでしょう?! ワタシに関わらなくていいわよーーっ と言う心の中の叫びも虚しく、ヒロインちゃんはワタシを見つけると満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってきた。
「あ、あの! 私迷ってしまったらしくて‥‥ それで‥‥寮に戻りたいんです。 できたら連れて行ってもらえませんか‥‥?」
両手を胸のあたりで組んで、うるうると潤んだ上目使いで可愛く見せようとするあざとさ‥‥ 女子だけじゃなく、オネエにも普通にいる、こういうあざとかわいい私♡ って子、実はワタシ大嫌いなの。
関わりたくない+嫌いなタイプでワタシの気持ちは急降下よ。 ほんともう、ほっといてほしいのに! 一応嫌なタイプでも女性だし、もしかしたら
「申し訳ありませんが、少し急いでいるので…。 この道をまっすぐ進んで、突き当りを右に曲がると正面に寮がみえてきますよ。 それじゃ気を付けて。」
そう言うと中庭を突っ切り、大分遠回りして寮に戻る事になったわ。 これでフラグが折れたかしら?
・・・・・・・・・
置いて行かれたヒロイン‥‥アンジェリカはエドナーシュが立ち去った方を見て「やっぱり‥‥」と呟いた。
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