12 孤独な宇宙ステーション
孤独な宇宙ステーション
……すごく静かだね。
輪廻は部屋の中にある大きな鏡を見つめた。
そこには見慣れた自分自身の姿があった。
美しい自分。(自分でも、自分を見てそう思う)
でも、その姿形は、輪廻の心と魂に釣り合いがどうも取れていないような気がした。輪廻はそんなに可愛らしい、美しい姿に見合うような、そんな立派な精神や心の持ち主ではなかった。
輪廻は自分の内面を、そんな風に評価していた。
天秤のバランスがちゃんと取れていないのだ。
(もしかして、だから私は息苦しい、と思っているのかもしれない)
輪廻は思考を切り替えて、今日出会ったばかりの少女、二木林檎のことを考える。
輪廻と林檎はどこか似ていた。
姿形はもちろん、そっくりではないけれど、その魂の形、あるいは心の成り立ちのようなものがすごく似ている気がした。
(あるいは、私たちと同年代の、これくらいの年齢の少女たちは、みんなどこかしら、似ているところがあるのかもしれないけれど……、でも)
輪廻は林檎に、ほかの友人たちには感じない、親近感のようなものをすごく感じていた。
それは、簡単に表現すると、なんだか『林檎は私の本当の家族みたいだな』と思える雰囲気を、林檎は最初からその身にまとっていたのだ。
あの真っ暗な闇の中いる孤独な林檎を見つけたとき、輪廻は確かに、あ、あれはきっともう一人のあったかもしれない私自身の姿なんだ、と思った。
そこで輪廻は思考を止めた。
輪廻は鏡の前でにっこりと指で口角をあげて無理やり笑う練習をしてみた。
すると、「なにしているの?」と後ろから声をかけられた。
そこにはお風呂上がりの林檎がいた。
火照った林檎は、なんだかすごく色っぽく見えた。
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