第42話 運命の赤い糸 四
※ ※ ※ ※
12月。今日は一段と冷え込み、マフラーや手袋なしでは、外を歩けない1日だ。
実は今日、俺、由利加、圭太は、ダブルデートの約束をしていた。何でも、前に付き合っていた幹子さんとも圭太は別れ、(まあ、俺はそのことを「運命の青い糸」で把握していたし、由利加も後で「私も知ってたよ。」と言っていたが。)今日は新しい彼女を、連れて来るらしい。
「おっ、克也、由利加さん、早いねえ~!」
「いや、お前が遅いだけだろ。」
俺たちはそんなことも言えるくらい、仲のいい友達だ。
「そっか~悪りぃ悪りぃ~!」
「で、お前の新しい彼女は?」
「あ、俺の運命の相手か!?」
『何が運命の相手だよ。』
俺は心の中でそう思い、由利加の方を見た。すると、由利加も同じようなリアクションをしていた。
「あ、来た来た!」
「お待たせしました!」
そこに、現れたのは…。
「あっ、友香さんじゃん!」
「そ、改めて、俺の彼女の、井上友香!」
「お久しぶりです、由利加さん、克也さん!」
「え、でも何で…!?」
俺は、思った疑問を素直に口にした。
「いや~私、圭太と別れて、気づいたんです。
やっぱり私、圭太と付き合ってる時が、幸せだったなあ、って…。
だから私、ちょっと勇気がいったんですけど、圭太に連絡をとって、『もう1度、付き合って欲しい。』って言ったんです。そしたら、圭太も元カノと別れたばかり、って言うから…。
私たち、もう1度付き合うことになりました!」
そう言う友香さんの表情は本当に幸せそうで、見てるこっちまで、微笑ましくなるものであった。
しかし、ここでイタズラ心が俺に芽生えた。それは、
『どうせこの2人の間にも、『運命の青い糸』があるんだろう。
どれどれ、何月何日だ?』
と、いうものである。
そして俺は由利加に目配せをする。どうやら由利加も同じことを考えているらしく、こっちを見てニタッと笑う。
そして、俺たちは注意深く、圭太と友香さんの小指を見る。
その瞬間…、俺と由利加は、目を合わせて驚いた。
『これって…、圭太と友香さんとの間の糸の色は…、
『赤色』だ!」 (終)
運命の…黄色い糸? 水谷一志 @baker_km
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