第25話 運命の黄色い糸 十

  そして、ある程度俺たちが歌った後、由利加が、

「あ、じゃあ私と克也で、ジュース入れて来ますね!

 行こ、克也!」

と俺に呼びかける。

「あ、ありがとうございます由利加さん!

 克也も悪りぃな!」

「ありがとうございます!」

圭太たちは俺たちにそう言い、とりあえず俺たちはその部屋の外に出た。

 すると…、

「ねえねえ克也。友香さんって、歌がヘタだったり、料理で手、切ったりして、ちょっと天然な所があるよね。」

「いつも」の腹黒い由利加が、始まった。

 「ま、私が友香さんの彼氏なら、軽くキレるだろうな~。」

「お、おい、ちょっと!」

俺的には好印象の友香さんをけなされたので、俺は本気で由利加に怒りそうになった…しかし。

 「でも、友香さんって何か純粋そう。そういう所が、圭太さんは好きなんだろうね。」

 …いつもの由利加らしからぬ台詞に、俺は少し驚いた。

 「あ、今克也、『何かいつもの私じゃない。』って思ったでしょ!?

 それ、分かる~!」

…相変わらず鋭さは健在だ。

「あと、今日は克也の弱点、1つ見つけちゃった!

 克也ってホント、音痴だよね~!」

「う、うるせえよ!

 とりあえず早く戻ろ!」

俺は恥ずかしくなって、由利加にそう言った。

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