第7話星核
首都アンドロポフから列車に揺られること3時間、ようやく情報が隠してあるというレイニアの街に到着した…
が、そこは街と呼べるものではなかった。
町中に建物の残骸が飛び散り、町の中心部と思われる広場の跡地には巨大な穴が空いている。もちろん人の気配は一切ない。
ここで何が起こったのか…それは何となく察しがついた。
「ここがレイニアだ…何が起こったかはまぁ君達の察した通りだ。」
「まさか…ラグナロク…」
「そういう事だ。この街では3年前、ラグナロクと同じ事が起きた…小規模だがな。」
「じゃあラグナロクの正体ってのは一体…」
「そこの建物の残骸の下にある地下室に俺の資料を隠してある。行くぞ」
そう言った建物の残骸を掻き分け地下室にたどり着いた。
そこには莫大な量の文献が保管されていた。
「まずはこれを読みたまえ」
そう言って吉永は1つの本を差し出した。
〜ラグナロク〜
ノルダムス予言による世界の終末とされている。
しかし、その正体はこの星の内部から重力を制御している磁場エネルギーとこの星の表面で地殻運動を制御している地殻エネルギーとの衝突によるエネルギーの暴走である。
普段はお互い干渉しない2つのエネルギーだが、数千年に一度訪れる星核の地震運動により星の内部で2つのエネルギーが衝突する。
2つの衝突した莫大なエネルギーはお互いの力を相殺しきれず強力な衝撃波として地表へ放出される。
放出されたエネルギーは地表に大きな穴を開け、そこから更にエネルギーが放出され、地表に放出された2つのエネルギーは暴走をし、あらゆるの物をその強大な力量で破壊する。
もちろん人間含めその他生物も放出された強大なエネルギーの力量の前ではなすすべも無く即座に融解してしまう。
現在の人類の叡智ではこのエネルギーの放出に耐える手段はないため、このラグナロク現象のことを世界の終末という。
つまりノルダムスはこの終末を予言したのでは無く、星核の地震運動が起こる年を計算したのである。
「つまりはそういう事なのさ。」
本を読み終わったのを察したのか吉永が話した。
「ラグナロクは自然災害という事か…」
「そういう事だ。3年前に起きた星核の地震運動の前震で小規模だがこれと同じ現象が起きた。そして衝突したエネルギーが放出されたのがこの街だったって訳だ…」
にわかには信じがたいがこの街の惨状を見る限り、その事が事実である事も確かだった。
「さっ、次はこれだよ」
ラグナロクの正体を知り、驚愕する俺達に吉永から差し出された新たな本がさらなる真実へと俺達をいざなった…
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