第6話北へ

時は流れついに夏休みになった。


予定通り俺、千鶴、雫は小泉家が握ってる情報を求め、北の大国 オウビアへと向かった。


さすが北方の国だけあってとても寒い。


雫に導かれるまま一行はオウビアの首都、アンドロポフの市街地にある喫茶店へとついた。


そこには少しチャラそうな若い男がコーヒーを片手に本を読んでいた。


「吉永さん!来たよ〜」


雫が親しげに声をかける。


「おぉ雫ちゃん!!久しぶり〜!」


「おい雫、この人が北方の賢者 吉永って人か?」


「そうだよ!一見賢そうに見えないでしょ!でもとっても賢い人なの!」


「おい…一見賢そうに見えないって…まぁ3人とも座りたまえ」


コーヒー片手にしばらく世間話をした後本題へと入ることにした。


「実は俺たちは皇帝にものさしを探すように言われたんです。そしてその件について小泉家が掴んでいる情報を吉永さんが全て知っていると聞いてここへ来たのですが吉永さんが知っている全てをお話頂けませんか?」


「なるほど〜急に雫に呼び出されたと思ったらそういう事だったのか…」


「いいよね吉永さん!私も小泉家の一員としてどうな情報を掴んでいるのか知りたいの」


「よし…わかった。協力しよう。だが少しいいか?だがその情報は非常に危険なものだ。場合によっては君達の命を危険に晒すことになるかもしれない。それでもいいんだね?」


一瞬の沈黙が走る。


正直怖かった。


ただ世界を救うためにはこの程度の危険な事に怯えていてはならない。


「危険は承知の上です。」


3人は声を揃えて答えた。


「よし、君達の覚悟とやらを感じたよ」


「吉永さん…その情報というのは…」


吉永は立ち上がった。


「ここでは無理だ。ここから西へ数100キロ離れた街レイニアに私の知りうるすべての情報を隠してある。話はそこについてからだ!」


ようやく世界を救うために重要な情報を手に入れられる!そう思うと自然と笑顔がこぼれた。


「それじゃあ行こうか!レイニアに!俺たち4人で!」

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