第5話北方の賢者
「待て小泉…なぜ俺と長瀬なんだ?」
「とぼけても無駄よ!超級国民小泉様の情報網を舐めないでよね!あなた達が"ものさし"を探していることは知ってるの。その事で話があるのよ」
「小泉…まさかお前あの小泉家の人間なのか?」
小泉家とは超級国民の中でも二宮家に次ぐ影響力を誇る名門一家だ。
「あら?やっと気付いたのね!とりあえずこれは命令よ。私の家に来なさい。長瀬さんはもう着いてるわよ。」
「待て…千鶴は…」
「火事の件も知ってる。でも事情を話したら来てるれるって言ってくれたから。」
「そうか…」
あれほど落ち込んでいた千鶴がわずか数日で回復するとは思えないがとりあえず小泉の家へ行く事となった。
さすがは名門一家の屋敷といったところか。
小泉家こ屋敷は王城をも凌駕するほど立派な建物だった。
そして雫に連れられるがままに応接室らしき部屋に着いた。
そこには火事以前と変わらない態度の千鶴がいた。
「千鶴…もういいのか?」
「修君、連絡遅れちゃってごめんね!私はもう大丈夫だから。一緒に世界を救おうね!」
あれほど落ち込んでいた千鶴がなぜこんな早く回復したのだろうか?そんなことを考えていると部屋に眼鏡をかけた老人が入ってきた。
「爺や、後は頼んだわよ」
そう言って雫は部屋を後にした。
そしてその老人は紅茶を一口飲んだ後話し始めた。
「美麗お嬢様からお話は全て聞いております。修さん達は例の"ものさし"をお探しになられるようですね。調子はいかがですか?」
「まだ何の情報も掴めてなくて…それでやっと手がかりを見つけたと思ったら…」
「例の研究所火災の件ですか…つまりまだ有力な情報は掴めてないということですな」
「はい…お恥ずかしいですが…」
「心配無用!この小泉家の情報網を舐めないでいただきたい。雫お嬢様、出番だよ!」
部屋の扉が開き、世界地図を持った雫が入ってきた。
続けて、老人は話した。
「実は我々小泉家もこの"ものさし"の件について独自に調べておりある重要な情報を手に入れたのです。しかし、我々にも事情がありその情報を今ここであなた方に言うことはできないのです。」
「話せないって…どういう…」
「申し訳ない…大人の事情ってやつだ。」
「そうですか…でもそれだけじゃないですよね…俺たちを呼び出したのには他にわけが…」
そこで千鶴が地図に指をさした。どうやら北の大国、オウビアを指さしているようだ。
「その通りじゃ。そこであなた達2人にはうちの雫と共に北の大国、オウビアへと行き、そこで[北方の賢者]と呼ばれる人物"吉永"と会って欲しい。彼はこの小泉家が得た情報全てを知っている。ここでワシから"ものさし"についての情報は話せんがオウビアで彼に会えばその情報を話してくれるだろう。
どうかね?行ってくれるかね?」
「話はわかりましたが俺たちもまだ高校生なんで学校が…」
「君ら学生にはあるじゃろ…夏休みというものがな…」
こうして俺と千鶴、そして雫は夏休みに情報を求め、[北方の賢者]がいるオウビアへと旅立つことになった。
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