第4話 謎の女

あの火事の一件から数日が経ち、 千鶴が心の整理をしている間、1人で"ラグナロク"と"ものさし"について調べる事にした。


夜、部屋で図書館から借りてきたノルダムス預言についての本を読んでいると急に姉の美麗が部屋に入ってきた。


「おーい修何読んでんだ?」


「いや…少し調べ事を…」


重ねられた本のタイトルを見て美麗の表情が曇った。


「おい…お前まさか皇帝からものさしを探す任務を引き受けてくれないか?とか言われてないよな…」


「あぁ、言われたけどどうしたんだよ姉さん?てかなんで姉さんがそれを知ってるの?」


「それで、なんで返事したんだ?」


「いや、YESしか無いだろ。世界が懸かってるんだぞ。ていうか皇帝からの命を断ったら処刑クラスだろ。」


「え?引き受けるって言ったの?あんた馬鹿だね。」


「…まさか姉さんもこの任務引き受けるよう言われたの?」


「ああ、言われたよ。断ったけどね!」


「え?なんで断ったのさ?皇帝からの命だよ」


「正直私、今のこの国の身分制度が嫌なんだ。だからその身分制度の格差を広げた今の皇帝も嫌い。それに私、仮に世界に終末が来るのなら、わざわざそれから世界を救う必要なんて無いと思うんだ。」


少し困惑した表情で俺は質問した。


「なんでなの?世界が終わってもいいの?」


「うん、もし3年後に世界が終わるのならそれが運命なんだし、それに抗うって事が嫌なんだよね…」


確かにそれはさっぱりとした美麗らしい考え方だった。


しかしなぜ皇帝からの命を断っておきならが処罰を受けなかったのか。その事については話してくれなかった。



次の日も俺は学校の図書館で"ラグナロク"について調べていた。


すると聞いた事のない女の声が聞こえた。


「あなたはもしかして片岡修さんですか?」


そこには小柄でボブヘアーの可愛らしい少女が立っていた。


とりあえず彼女が誰かを聞く事にした。


「ああ、俺が片岡だが…まずお前は誰なんだ?」


「おっと失礼!私は小泉雫。まぁ好きに呼んでくれて構わないわ。」


「ところで小泉?俺に何の用なんだ?」


「放課後、私の家でお茶しない?もちろん長瀬さんも一緒に…ね…」


なぜこいつは俺と長瀬の関係を知っているのか。そしてなぜお茶に誘ったのか。俺にその理由が分からなかった。


だが、この後、謎に包まれた少女 小泉の口から驚くべき真実が語られる。

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