第3話 Complicate Fire
父親が考古学者で"ラグナロク"や"ものさし"について知っている千鶴と共に世界を救うべく"ものさし"を探しに行くことになった俺はまず、千鶴の父親の所へ行き"ラグナロク"や"ものさし"についての詳しい話を聞きに行く事にした。
「うわ〜すごい数の消防車が一気に出動してるね〜何かあったのかなぁ〜」
「まぁ大規模な火事でもあったんじゃないかな?」
そんな会話をしながら千鶴の父親が所長を務めるオムロン考古学研究所へ向かっていた。
そして研究所についた2人は凄惨な光景を目にする。
「お…おい…どういう事だ…なぜ研究所が…」
あろうことか、研究所で大規模な火災が発生し、炎が残る焦げた残骸だけになっていた…
そして先ほどの消防車を思い出した…
「ここだったのかよ…」
千鶴は涙を流しながら声にならない声で叫んだ。
「父さん…父さん…ねぇ…生きてる…よね…父さんを…助けなきゃ!!」
そう言って千鶴は走り出した。それを止める消防士達の手を振り払って…
俺は消防士に千鶴がここの所長の娘であるある事を話し、一緒に千鶴を助けに行く事にした。
そしてある建物の
残骸の前で千鶴が泣きながら立っているのを見つけた。
そこには所長室と書かれた焦げた標識が落ちていた。
千鶴の父親の研究室はすでに炎に飲まれてしまっていたのだ…
千鶴は泣いている…
俺は何と声を掛けたらいいのか分からなかった。
ふと足元を見ると「千鶴へ」と書かれた本が落ちている事に気がついた。
幸いにもその本は多少煤をかぶっているものの本として読むことが出来た。
そして俺はその本を開いた。
「千鶴、お前は本当にそれでいいのか?お前はその結末を本当に望んでいるのか?」
本にはたったそれだけが書かれていた。
俺はその本をそっとカバンにしまった。
俺にもよく分からないがここで千鶴にこの本を見せてはならないような気がしたからだ。
「千鶴…今回の事は残念だった…すまないが俺にはお前の気持ちを完全に理解する事は出来ない…でも、俺は思うんだ。辛いことや悲しい事、それらを乗り越えて行くことが人生の醍醐味なんじゃないかってね…だからここでずっと落ち込んでいてもダメなんじゃないかって…」
千鶴は悲しげな表情でこちらを向いた
「だから、千鶴には辛いかもしれないけど俺の"パートナー"としてこれからも世界を救うために一緒にいてくれないか?」
「そうだね…修君の言う通りだね…ここで立ち止まったらお父さん余計悲しむもんね…わかったよ修君…でも少し時間を頂戴…すぐには立ち直れないよ…」
「千鶴…ありがとうな。わかった、お前の気持ちの整理がついたらまた話しかけてきてくれ」
「うん…」
この時、俺は強く決心した。絶対にものさしを見つけ出し、世界を、そして千鶴を救ってみせると…
次に千鶴の泣き顔を見る時は世界を救って嬉し涙を流す千鶴にすると…
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「例の少年の態度はどうだった?」
「はい、この悲惨な状況を受けてなお、世界を救うため私と共に居て欲しいと言われました。」
「なるほど…世界を救う強い意思か…」
「彼ならトリガーになりうる存在かと…」
「ご苦労だったなクレイン。計画を次のステップへ進めてくれ…」
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