アネモネ

勝利だギューちゃん

第1話

高校時代の同窓会が行われた。

正確には、クラス会だが・・・

正直、全く参加する気がなかった。

でも、しつこく「来てほしい」との電話があった。


当時はまだ、携帯などない時代。

しかも、俺は当時の級友との、交流は経っている。

なので、俺の携帯の電話番号を、向こうがしるはずもなく、

固定電話で、かけてくる。


まあ、俺は携帯を持っていないんだが・・・


会場に着く。

会費を払い、適当に腰を下ろす。


「たく」

下戸な俺は、ウーロン茶を頼む。


仲のよかった連中は、それぞれにかたまっている。

「何で、俺を呼んだんだ?」


俺はぼっちだった。

友達はいない。

もしかして、惨めな思いをさせるのが目的か?


やはり、不釣り合いだ。

帰ろう・・・


席を立とうとした時、ひとりの女性が声をかけてきた。

「久しぶり。元気だった?」

「ああ」

「私の事、覚えてる?」

忘れるはずがない。


俺の初恋の相手だ。

そして・・・


「ねえ、もしかして怒ってる?」

「怒ってないよ」

「本当に?」

「ああ、この顔で、女の子と仲良くなれると思っていた俺が悪い」

「えっ」

「君は、当然の事をしたまでだ。」

「・・・そんな・・・」

こんな事を聞かせるために、俺を呼んだのか?


「だから、ずっと謝りたくて、ひどい裏切り行為をして・・・」

「でも、今は愛する人と結婚して、かわいい子供がいて、幸せに生活してるんだろ?」

「・・・あの・・・わたし・・・」

「だったら、もう俺に構わないでくれ!」

思わず大声が出た。


この女は、俺からのデートの誘いを、OKしておきながら、

他の人(セフレ)に同じ日に誘われて・・・


そう断ってきた。


そこで終えておけばよかったのだが、その後5回も同じ事をされた。

学習能力がない・・・


「ねえ、ひとつだけ教えて、私の事をどう思ってる」

その言葉に俺は即答した。


「敵だ」

それだけ言うと、俺は会場を後にした。



しかし、さすがにいきすぎと反省をした。

俺は、彼女に花を贈る事にした。


奇麗な赤い花・・・

アネモネの花を・・・

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アネモネ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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