第18話

 ここからは父親へのお願いなのだけれど、私が先に死んだら、私に与えてくれる気があったのであろう遺産を、世の中の為に使って下さい。


 消費されるだけの寄付とかではなく、今後の世の中の為になることに使ってほしい。


 貴方の目的が世の中に良いことであって、それにお金が掛かるならそれに使っても良い。


 本当は生きて私が出来たら良いんだけれど……

 姉達家族には、そういうものは期待出来ないんだ。

 姉達やその家族は、自分達の為にのみお金を使うだろう。

 今後入ってくるお金も、子孫も、自分達の為にのみお金を使うんだろう。

 良くて消費されるだけの寄付にしか使われない。悲しいことにね。


 だから、これを遺書として


『私が先に死んだら、私へ宛てがわれる筈だった遺産は姉達に分けたりするのではなく、世の中の為になる事に使って下さい』


『葬式はしなくて良いです。そんなものは望んでいません。ただ火葬して、骨は全て粉々にして、風の強い日にでも自然豊かな場所にばら撒いて下さい』


 以上。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

自分のことと恋と遺書 朝霞 氷炎 @asakahien

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る