第17話
ここまで、主に私の恋した人生を中心に簡単に書いてみた。
なんでこんなものを書き残そうと思ったかというと、誰も、まるで、私をわかってなかったからだよ。
大人になるまで、理解されない事に苦しんでた。
大人になってから、理解されないのは当然のことと、受け止めてきたよ。
子供の頃はね……他人に自分の思っていることが、全て筒抜けになってほしいと思ってた。
サトラレみたいにね。まぁ、感情だけなら、逆に他人のものが分かって嫌だったんだけれど。
でも、家族だった人達くらいには、少しは私をわかっててほしかったから。
父親や姉には、私は結婚しないと子供の時から何度も言ったけれど、少しはその気持ちが理解出来たのかな?
父親には、子供の頃私が未来のことなんて考えたくない、なんて言ったその時の気持ちが理解出来たのかな?
父親に子供のころ、私に愛嬌よく笑うように言っても、私が出来なかったこと、そんなことが出来る状態じゃなかったこと、分かったのかな?
死ぬのを耐えてきて、死なないという信念を持っていた私が父親に「死ぬときは前もって言えよ、生命保険に加入させるから」なんて言われた時の気持ちが分かるのかな?
父親に、漫画の専門学校に行きたいと行って反対された時の、私の……
ただの独り言です。答えも質問も批難も要らない。
ただ知って欲しかっただけだ。私が苦しんでいたことや、私の根幹にあるもの。
私の大切な想い。
そう、だからおもには私の恋の話を書いた。
私は、嘘が嫌いなんだ。
嘘をつかれるのも、嘘をつくのもね。
だから嘘は書いてないよ。
昔、嘘を全くついたことがない私に対して長姉は、私が嘘をついているということを言った。
それがどれだけ私を傷つけたか、ドス黒くさせたか、知らないだろう。
泣けば許してもらえると思ってんでしょ、とかも言われたね。
私はそんなこと、全く思ったことも、わざと泣いたこともなかったのに。
長姉はまるでわかってなかったんだろうね……心を。
純粋過ぎた私を。
私がそれを、呪いの言葉だと感じるくらいには、私を歪めてくれたよ。
あとね、父よ、私は貴方が「未来がわかる」と言ったこと、信じなかったことはないよ。
それを聞くより、私が予知夢を見る方がずっと先だったから。
姉達は知らないけれど、私は否定もしてないよ。
身体的特徴も私が似たように、むしろ能力がより強く受け継がれたのかと思ったくらいよ。
まぁ、父はそんなこと思いも寄らなかったのかもしれないけれど。
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