第7話友よ


おや、君が私の友達と感じてくれているのは感謝するが、いつ君が私の友達になったかなんて覚えてはいない。

もし私があげた、あのワインを頂いたときからなのであれば、あれは、礼儀としてあげたまでで、君と仲良くなろうとは一度もありはしないんだよ。

君が、私の横にいるのだって、単なる仕事のパートナーであり、親しみ何てものを感じてはいなかった。それでも、この私と仲良くしていこうと思うのかね、こんな私の携帯の連絡帳に私の名前を載せてくれるのかね。


嫌かも知れませんが、私はそうするつもりです。何故なら、あなたが天邪鬼であり、思いとは裏腹のことを考えていることを知っているからです。

私が、パートナーとしてあったのは、つい最近かもしれませんが、あなたとあったのは、二十年前のことです。中学でいじめられたとき、助けてくれたのはあなただったんですよ。

声を出して言いたかったが、覚えてはいないと感じていたので、私は、仲良くなりたいんです。の短い言葉を発した。たったそれだけではあったが、私は、単なる部下から、友達なれた喜びを感じた。

私は、あの日言えなかったことを口に出来た

それは、信頼にも繋がったのかもしれない。

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