第20話

バチンという音が病室に響く。


「良くないわよ!」


続けて優姫の悲鳴にも似た叫び。

その瞳に宿るのは俺に向けた怒りの色。


「ど、どうしたんだよ急に大声あげて」


「前に私言ったわよね?あなたが傷つく事で傷つく人がいることを自覚してって」


それは俺たちがまだ付き合う前のこと。

俺が優姫を庇った日に優姫から言われた言葉。


「あなたは言ったわよね?分かったって、私のためにももうしないって」


たしかに言った。

俺のことを本気で心配してくれる優姫を心配させたくなくて、その表情を1秒でも曇らせたくなくて、そう約束した。


「だって言うのになんでまた知らない誰かのために傷付いてるのよ!?」


優姫の悲鳴は続く。

ここが病室であることなんて彼女の中からはとっくに忘れ去られている。

その頭にあるのはきっと、俺への怒りと裏切られた悲しみだけなのだろう。

でもそれは裏を返せばそれだけ俺のことを大事に思ってくれていたということ。

でも…


「子供がトラックに轢かれそうになってるのを見たら身体が勝手に動いたんだ。仕方ないだろ?それともあのまま見殺せって言うのかよ?」


「その通りよ」


ピシャリと冷たく言い放つ優姫。

そこに冗談になど一欠片も混じってはいない。


「あの子があなたになにか関係がある?命の危険を冒してまで庇うほどの相手だった?あなた今回は本当に死にかけたのよ?目の前で好きな人が死にそうになっているのを見せられる側の気持ちも考えてよ。私は他の全然関係のない誰かの命よりもあなたの命の方が大事なの。どうしてそれを分かってくれないの?」


まるで決壊したダムのように流れ出る優姫の本音。

普段の人をからかうような態度とのギャップに俺はなにも言えなくなってしまった。


「私はあなたの優しいところが好きよ。見ず知らずの誰かのために動くことができるそんな優しさが好きだったわ。でも、こんな事を続けられてはきっと私はあなたを嫌いになってしまう。だから______」


そこで優姫は一度言葉を切る。

まるでその先を言うのを躊躇うかのように。

しかし____


「別れましょ。もうこれ以上あなたの自己満足には付き合えない」


その決定的な一言を俺に向かって告げた。


「優姫!まっ____」


「ばいばい」


俺の言葉を最後まで聞くことなく、優姫は病室を出て行ってしまった。

そしてこれが俺と優姫の関係の終わりだった。



夢を見ていた気がする。

ずっと前のとても懐かしくて、とても痛かった記憶の夢。

ぼんやりする意識の中目を覚ますとそこにあったのは真代の今にも泣き出しそうな顔だった。

そして意識を失う直前の出来事と思い出した。


「…子供は?」


「…目を覚まして真っ先に人の心配だなんて随分と余裕ね。こっちの気も知らないで」


「うっ…」


それを言われると弱い。

あんなことがあったというのに、俺はまた懲りずに同じことを繰り返した。

の真代の言う通りだ。


「子供は無事よ。すぐに気付いて救助されたのが幸いしてそれほど水も飲んでいないようだったし。今は辻野くんと椎葉さんが事情説明で付いているはずよ」


ムスッと不機嫌を隠そうともしない真代が、それでも俺の質問には律儀に答えてくれた。


「そうか」


少年が無事だったと聞いて一安心したところだったが、俺にとってはむしろここからが大変だ。

この不機嫌の権化と化した姫を鎮めなければならないのだ。


「その…ごめん」


「謝罪なんて要らないわ。どうせあなたは反省なんてこれっぽっちもしていないんだもの」


「そうじゃなくて、俺が謝ってるのは真代に心配を掛けたことに対してだ」


「…別に心配なんてしてない」


真代そう言うが、最後に海から上がって本来であれば既に乾いているはずの肌や水着はまるで今の今まで水に浸かっていたかの様に濡れていた。


「真代だろ?救けてくれたの」


「しかたないじゃない、私以外にことを知らなかったのだから」


たしかに俺は真代以外に泳げないことを話していない。

その真代にだって『話した』と言うよりは『バレた』と言った方が近い知られ方をしている。

しかし、辻野や椎葉は俺が飛び出したこともあって俺が当然という前提でいたわけで、だから辻野もあの時俺を置いてでも少年の救助を優先した。

もしも、この旅行の真代が同行していなければ、俺は今頃命を海に返していたところだろう。


「それよりも、私に謝るより先に謝るべき相手がいるんじゃないかしら?」


真代が言っているのは辻野と椎葉の2人のことだろう。


「私は流石に2回目だし、あなたがそういう人間だって知っていたからともかく、2人とも相当ショックを受けていたわね」


「…」


返す言葉もなく、俺にできたのは真代言葉をただ黙って聞いていることだけだった。


「でもまあ…あなたが無事で、生きていてよかったわ」


「…え?」


「と、ともかく私からはそれだけよ。あとはあの2人に任せるわ」


そう言って真代が立ち上がると、同時に俺の頭も持ち上がり、そして砂浜に叩きつけられた。

…?

未だに少しぼんやりする頭で考える。

そういえば目を覚ましてから…いや目を覚ます前くらいからずっと後頭部に柔らかい感触があると思っていたし、なんなら真代の胸や顔が随分と近いと思っていたけど、まさか今のって…。


「膝枕…?」


それを確認しようと思ったが、既に真代の姿はそこになかった。

後頭部に残る謎の温もりの余韻を感じながら青い空を見上げる。

考えることは辻野と椎葉のことだ。

真代言うには相当に心配をさせてしまったようだ。

結局こうなってしまった。

あの一件以来しっかり自制していたのだが、やっぱり咄嗟の時には考えるより先に体が動いてしまう。

今回は結果として俺も救かることができたが、もしもあのまま俺が死んでいたとしたらきっと旅行なんて組まなきゃ良かったと辻野は自分を責めるだろう。

椎葉のことも泣かせていたかもしれない。

それでも俺は変われない。

優姫という大切な人を失ったというのに俺は結局変われなかった。


そろそろ潮時なのかもしれない。

この2年間2人には本当に世話になった。

楽しい思い出もたくさん貰った。

だからこの先の人生で2人と関わり合うことがなくなったとしても、2人の中で俺が『学生時代によく遊んだ友達の誰か』になっても耐えられる。


ようやく意識がはっきりしてきて俺は起き上がる。

少し頭が痛むが、日常生活を送る上でそこまで支障はないだろう。

まずは2人にちゃんと謝ろう。

それでこの旅行が終わったら_____。

俺は固い決意を胸に自分たちのシートへ足を運んだのだった。





辻野と椎葉に謝って、滅茶苦茶怒られて、仲直りしてたあと、俺たちはホテルに帰ってきた。


「確かに高宮が泳いでる姿って見たことなかったけど、まさか泳げないとはな」


「ま、体育の時も選択だったからな」


中等部時代はバスケか水泳かの2択だったから俺は迷わずバスケを選択して、体育館の隅っこでサボっていた。


「っていうか、だったら俺が泳がないのか聞いた時に言えばよかったじゃねぇか」


「それはお前…自分は泳げないなんて恥ずかしくて口にできるか?」


「そりゃまぁ…」


しかも海まで来てそんなこと言おうものなら、せっかくの楽しい雰囲気ぶち壊しだろう。

だから真代は計画の段階で本当に海でいいのか俺に確認を取ったわけだしな。


「なんか、なんで2年前の真代がお前に愛想を尽かしたのかなんとなく分かった気がするわ。どうせあの事故も今日みたいに後先考えず自分のことは後回しで飛び出して行ったんだろ?」


「…まあな」


「別に俺はそれでお前に愛想を尽かすことはないし、どれだけお前が無茶してもダチを張るつもりだ。最低限死なねぇようにだけしてくれれば俺はなんも言うつもりはねぇから」


辻野がニカッと笑いながら言う。

やっぱりいい友達だと思う。

できることならこのままずっと友達でい続けたい。


「ありがとう辻野。俺みたいな奴の友達なんてやってくれて」


「…なんだよ急に…気持ち悪いな」


「気持ち悪いってひどいな。こっちは心から言ってるっていうのに」


「余計に気味が悪いわ!なんだよ?金ならないぞ?」


こいつは俺をどんな人間だと思っているんだ?

っていうかもう金ないのかよ…。


「別に今のところ金を借りる必要はない」


「だったらなんだよ?一体なにが目的だ?」


「純粋な感謝だとは思わないのか?」


「思わない!っていうかもしホントにそうだとしたらむしろ心配だ。まさかお前死んだりしねぇよな?実は余命幾ばくもないとか」


「余計宣告はされてないし、病気にも掛かっていない」


そんなたわいもない話をしながら夜をふかす。

明日の今頃はもう家に着いている頃だろう。

そうしたらもう辻野とこんな時間を過ごすことはなくなる。

だから俺は辻野の友達としての最後の雑談を思い出に刻み付けるようにじっくりと楽しむのだった。






夏休みも半ばに差し掛かり、全く手付かずで残っている宿題を片付けていると意外な人物から連絡が来た。


『すまないがもし時間があれば学校まで来てくれないだろうか?』


そんな妙に律儀で堅苦しい文章を送ってきたのは、あの恋海さんの右腕である橘先輩だっった。


『分かりました』


宿題も面倒になってきて、絶賛辻野たちからも距離を取り中の俺は比較的暇だった。

それでもこれが恋海さんからの誘うだったのなら考える間も無く『拒否』の一択だったのだが、どうしても橘先輩の頼みは断りづらい。


『そうか、せっかくの夏休み中にすまないが助かる』


そして猫の土下座姿のスタンプが送られてくる。

…あの人以外に猫好きだったのか?

容姿とか性格からしてどちらかといえば犬派、それも日本犬派だと思ってたんだけど、意外なギャップだった。

そして俺は特に急がず部屋着から制服に着替え、リビングでゲーム勝負に勤しむ2人の妹に一言かけた。


「ちょっと出てくる」


「あれ?制服でってことは学校へ行くんですか?」


「え?せっかくの夏休みになにしに学校なんて行くの?」


器用にこちらへ顔を向けながらもコントローラーをガチャガチャやる梓。

画面ではこちらへ意識を向けて無防備となった璃子のキャラクターにコンボを決めていた。


『YOU WIN』


『YOU LOSE』


テレビから流れるそんな声に璃子が絶叫する中で、梓はその結果が当然であるかのように見向きもせず続ける。


「まさか補習とかじゃないですよね?あれだけ勉強見てあげたのに赤点ですか?」


「違う。ちょっと知り合いから呼び出しがかかってな。それと赤点は取ってないから」


このタイミングで生徒会副会長である橘先輩からの呼び出しということは多分文化祭の準備についてだと思うんだけど。


「まあ赤点を取っていないのならそれでいいんですけど」


そう言って一呼吸置いた後梓が少し神妙な顔になって続ける。


「でもよかったです。兄さん旅行から帰ってきてからどこか元気がないように見えましたし、それにあれから外出もまともにしてなかったようですから少し安心しました」


「お前は俺の母さんか…」


「なに言ってるんですか?わたしは兄さんの妹ですよ」


マジレスが返ってきた。


「それで結局なにしに学校なんて行くの?わたしも着いてっていい?」


「ダメだ」


「なんで?わたしもお兄ちゃんと同じ生徒じゃない」


ぶーぶーと文句を垂れる璃子。

まるで子供がおもちゃを買ってもらえずにイジケているかの様な姿だった。


「だってお前…絶対邪魔するじゃん」


「え、なにそれ?なんでわたしそんなに信用ないの?」


別に璃子を信用していないわけではない。

これで意外に真面目で清楚な女の子なのだ。

でも、こと俺の女関係ともなると話が違う。

外聞も周囲の視線も気にせずに、ただの嫉妬に狂った小姑モードに入ってしまう。

そして今回は恋海さんや橘先輩もいるわけで、璃子がまた嫉妬に狂って暴走するのは目に見えて明らかだ。

ただでさえ余裕がないのに、それを知っていてわざわざ連れて行って作業を滞らせるような愚かな真似はしない。

しかしこの駄々っ子モードの璃子もまた厄介である。

こっちが認めるか妥協案を出さない限り粘着してくる。

それはそれで家を出られず向こうに着くのが遅くなってしまう。

これはしかたないか…。


「分かった、今度璃子の頼みをなんでもひとつ聞いてやるから今日は聞き分けてくれ」


「…ホントに?」


「あぁ」


「絶対だからね」


そうしてようやく璃子が引き下がる。

これでやっと家を出られると思った時だった。

玄関に向かおうとする俺の制服の袖が軽く引っ張られる。

振り返ると梓がちょこんと俺の袖を摘んでいた。


「…わたしも行きます」


「…」


この時の俺の表情を是非自分でも見てみたい。

きっと梅干しを3つくらい頬張ったような顔をしているに違いない。


結局俺が家を出たのはその10分後。

璃子と梓の頼みをなんでもひとつ聞くことになってしまった俺は、重い足取りで通学路を歩くのだった。



「いらっしゃい高宮くん!久し振りだね、元気してた?」


「この顔を見てもそんなことが言えるとはよっぽど人の感情の機微に疎いのか、それとも相当にタチの悪い皮肉屋なのか、それとも煽ってるのか?」


「恐らくはその全部だな」


「ちょっ!?2人ともひどいよっ!?」


入室とほぼ同時に恋海さんのうざったい挨拶を受ける。

なんかこのテンション割と最近どこかで接した覚えがあるのだが…はて、いつだったか?


「まああまり気を悪くしないでやってくれ、これはこれで恋海なりに高宮に会えて喜んでるんだ」


たしかにこの夏休みの間のことだったとは思うんだけど…。

もう少しで思い出せそうなのに、そのもう少しが届かない。


「と、桃花ちゃん!違うよ高宮くん?全っ然喜んでないからね?そんなんじゃないからね?」


あ、そうだ。

熱海まで旅行に行った時に会ったあのお姉さん。

そういえばあの時も誰かにテンションが似てるって思ってたけど、そうか恋海さんだったか。


「…高宮くん?」


「え?なんですか?すみません、全然聞いてませんでした」


「お姉さんショック!」


なんなんだ?

まあどうせ碌でもないないことだろうしどうでもいいけど。


「それで橘先輩、今日はなにをするんですか?」


「あぁ、大方予想はついていると思うが____」


「待って!ねぇ待って?なんでそこで私じゃなくて桃花ちゃんに聞くの?私が生徒会長だよ?生徒会長だよ?」


なんなんだよホントにこの人は。

作業を始めたいのか妨害したいのかどっちなんだ?

仮にも生徒会長だというのならせめて邪魔はしないで欲しい。


「恋海、作業を止めている暇があると思っているのか?今のうちにやっておかないと後がキツイたけだぞ」


「それは分かってるけどさ、でも普通指示を仰ぐのならリーダーである私じゃないの?」


「それは高宮を呼んだのが私だからだろう?」


「だって私がラブコールしても高宮くん絶対来てくれないじゃない」


イジけた様子の恋海さんを宥める橘先輩。

まるで聞き分けのない子供とその父親のようだ。

そしてそれからちょうど10分後、橘先輩に諭されてようやく恋海さんが大人しくなった。


「こちらから呼びつけたというの申し訳ない」


「いえ、橘先輩なにも悪くないと思います」


誰が悪いとは面倒臭いから会えて言わないけど。


「さて、それじゃあ今日は高宮にはこの書類をまとめて貰いたい」


そう言って30㎝ほどの書類の山を俺に手渡す。

俺はそれを受け取りながら、なんだこれは?と視線を向けた。


「最近文化祭の方で手一杯で通常業務が滞っていてな。それはギリギリ一般生徒に見せてもいいレベルの内容の書類だ」


「えっと…それで俺は一体なにをすればいいんでしょうか?」


「そんなに難しいことじゃない。その書類に押してある『否認』『承認』で分けてくれればいい」


「はぁ…」


確かにそれなら俺にもできそうではあるけど、それくらいの仕事なら他の役員を呼び出してやらせれば済む話なんじゃないか?


「すまないな、他の役員たちは体育祭準備で忙しいらしくてな、出来るだけ集中させてやりたいんだ」


「でも、だったらどうして体育祭と文化祭をこんなに近い期間でやるんですか?」


俺はずっと思っていた疑問を橘先輩へぶつけた。

橘先輩は少し迷ったあと、恋海さんへチラッと視線を向けて答えた。


「昔_____といってもほんの数年前の話なんだが、この学校にすごく仕事のできる生徒会長がいたんだ」


「…?」


「そう不思議そうな顔をしないで最後まで聞け。その生徒は本当に仕事ができた。それこそ他の役員なんて必要ないくらいにな。そして遂にはその生徒は他の役員を全員生徒会から追い出したんだ」


「…滅茶苦茶しますね」


「まあ人格的にも滅茶苦茶な人だったからな。だがまあいくらその生徒が優秀だからってそんな自分勝手を教師たちが許すはずもなく、その生徒は教師陣に色々言われたらしい」


「それはそうでしょう」


っていうかそんな滅茶苦茶な人が生徒会長やってたって、この学校大丈夫なのか?


「そこで生徒はある提案をするんだ。体育祭と文化祭、この2つの行事を短期間で行って、ひとりで成功させたのなら自分のやり方を認め、残りの任期も自分ひとりでやらせろと。できなければ退学でもなんでもしてやるとな。結果は大成功、教師たちもその生徒の能力を認めざるを得なくなった。そしてついた仇名が『ひとり生徒会』だ」


「でもその話だと体育祭と文化祭の期間を短くするのはその人のいた年だけで終わりなんじゃないですか?」


「普通に考えればそうだ。だがこの学校の理事はこう考えたんだ『なんだ、やろうと思えばひとりでもできるんじゃないか。だったら来年からもそうしよう』とな」


「え…なんですかその暴論?」


「仕方のない話だ。一度でも前例を作ってしまった以上、上の人間は『できる』と思ってしまうからな。それに、本来なら11月に行う行事を10月に終わらせられればそれだけ3年生が受験勉強に専念できる。学校としてはその方が都合がいいんだ」


「つまり諸悪の根源はその『ひとり生徒会』の生徒会長だってことだってことですね」


「あぁ、しかもその時の生徒会長は恋海の従姉だ」


橘先輩の言葉を受けて恋海さんへ視線を向ける。

しかし恋海さんは我関せずと言わんばかりにひたすらに仕事に打ち込んでいた。


「そういうわけで体育祭と文化祭の期間がこれほどに短くなってしまったわけだ」


「…なるほど」


簡単に言えば、前の傍迷惑且つ傍若無人で滅茶苦茶な生徒会長のせいってことだな。

恋海さんの従姉と聞いて少し納得した。


「さ、無駄話もここまでにして作業に戻ろう」


そう言って橘先輩が話を切ったことで会話が終わる。

それから数時間俺は黙々と与えられた仕事をこなしたのだった。

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