私の読書事情、からの”村上春樹”事情(2)
さておき、私の読書スタイルの第二。
まさに村上春樹作品に、世の中的には遅ればせで手を出した時に、生まれてはじめて、なぜかそうしたいと思ってやってることなのだけど、そして、やってみて自分的には大正解だったのだけど、執筆順(あるいは出版順)に読むということ。
別に誰から言われたわけでもなんでもなく、ただ直感的に、どうせ遅ればせで読むのなら、この人自身の変遷をたどりながら読んでいきたいと思ったのでした。
忘れもしない、世の中に、「ノルウェイの森」が出ていたころだったか。
プロの作家とて、文章がだんだんうまくなって行ったり、表現がこなれて行ったり、発想がだんだんすごくなって行ったり、ある作品から微妙に変わったり、新しいものが加わったり…絶対そういう変化はあるだろう、だったら、ちょうどいい機会だし、遅ればせながらこの人とともに時代を進み、この人とともに成長し、この人の変化をつぶさに感じてみたい。結果、春樹さんと同時代に、”春樹さん自身”と”春樹さんの描くもの”を体験しながら生きられることは、私の数少ない幸運の一つと思うに至る。
それ以来、その他の作家についても、この人はきっと私の気に入るだろうと思った人については、春樹さんの時ほど厳密ではないにしても、極力、順番に読むようにしてきました。たとえば、よしもとばなな、江國香織などは、その部類。
ちなみに、文章がうまくなって行く様が、一番如実に体感できたのは、よしもとばなな(←すごい上から目線ですみません 滝汗)。
書く内容の変化して行く様がおもしろかったのは、やはり、春樹さん。特に、初めてセックス描写が出て来る作品を読んだ時は「おぉっ、ついに!」と思った(下世話かもしれないけど、一番印象的だったので)。もちろん、社会的な関心の変遷や人生の変化(外国生活など)も著作に顕れてます。
その三。
本は文庫に限る。
部屋にハードカバーを保有する場所がありません。それに、本好きとして作家の方々を儲けさせたい気持ちはヤマヤマなれど、やはり、文庫の安さ、それと、通勤時に読むべく、バッグに入れて持ち歩いてもかさばらないコンパクトさが優先されてしまう。
その三の2。
本は文庫、のみならず、仕入れは古本屋。
どんなにオモシロかった本でも、スペースがなくなれば結局は置いておけなくなる。なので、そういうリスクを考えると最初から仕入れ経費も小さい方がいいかと(でも、今のところ春樹さんは売っ払ってません)。
で、この結果、読むのは文庫化後に古本屋に出てからということになり、私がやっと手にするその時は、もう次の次くらいの新作が世に出てるころということになる。。。
以上、本好きながら、読書好きとは公言できない、私のヘンな読書事情でした。
(続く)
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