公的なカクと私的なカク。<小学校〜中学>

個人史の続きです。


学校では、作文の時間があったり、長期休暇に読書感想文の宿題があったりする。


いつからか、これらは私の得意分野になっていた。

それが外からわかりやすい形で認められた最初の記憶は、遅めではあるけど、小学校の修学旅行のことを書いた作文だ。


修学旅行の夜、私たちは遅くまでしゃべっていたり、女子の部屋に男子が来たりと、お約束通りのやんちゃぶりだった。

深夜そこへ、学年一怖い「ダンプ」と呼ばれていた大柄な先生がいきなりガラッと扉を開けて現れた。木刀を持っていた。


私はと言うと、寝ていた。早寝の子供だったのだ。

とんだとばっちりだ!私まで起こされて、全員正座。雷が落とされた。


その一部始終を詳細に書いた作文は、原稿用紙10枚以上になった。これが先生方の間で評判になり、廊下で「あれを書いたのはキミか」と声をかけられたりした。


もうあまり覚えてないけれど、そんなにうまい文章を書いたという意識はなくて、単に、あまりに長大だったのと、よくもこまごまと記録し、ぐだぐだ思いの丈を書いたもんだ(とばっちりだったので、いろいろ納得できなかったのだろう)という珍しさから目に留まったんじゃないかと思う。


自分的には、もっと低学年の時に全員の作文を載せた文集があって、そっちに書いていた「水たまり」という作文の方が気に入っている。


次に、中学の時。

年に一度だったか数回か、分厚い冊子が配られていた。あれは何だったのか?という程度の認識しかない、よくわからない冊子だ。自校の先生や父兄やその他の偉い(?)人の文章と、何人かの生徒の作文が選ばれて載っていた。


そこに、私が夏休みに旅行した時のことを書いた作文が載った。

とある湖で、いつもは霧がかかっているのにその日は晴れていたという書き出しで、「」の会話から始まる文章だった。載せると聞いていたのかもしれないけど、載ってるのを見て軽く驚いた記憶がある。クラスメートがタイトルを見て「小説家みたい!」って言った。単に、観光パンフレットに載っていた湖のキャッチコピーをそのまま書いただけだったのだけど。。。


今となっては、出だしが「」だったのがよかったのかもしれない。くらいの認識で、あとの内容はまったく覚えていない。


自分はお話を書いたり読んだりするのが好き、活字のそばにいたい、という感じで、いつも何か書いたり読んだりしていたのだけど、学校で書かされる物や学校での評価は、自分の中ではまったく別物だった。書く動機としては、自発的ではなく「やらされる」感があるせいかもしれない。


とはいえ、やはりと言うべきか、中学の全員参加のクラブ活動では「文芸クラブ」に入っていた。

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