第6話
(えちょ、エマさん!?それは、ダメだって!?)
「き、きさまー!この雑種ごときが!」
(…は〜。もういいや。)
「おい、テメー。」
「な!貴様、雑種ごときが私にそのような言葉を!」
「俺はな、何故かは知らないが不良のレッテルを貼られている。確かに、この街で1番か2番に強い奴と言ったら俺が必ず名前が上がる。今ここで引き退がるんだったら見逃してやる。さあ、どうする?」
「な…雑種ごときがつけあがるな!」
そう言い俺に向かって突進してきた。
そんなか弱い攻撃余裕で避けられる。さっと彼女と共に右に避けた。
「な!…何故かわした!」
いやいやいや、普通避けるだろ!
こいつ…バカなのか。
「やめなさいユリウス・ベル」
そう言ったのはエマだった。
俺はエマの方を見てしまった。彼女の勇ましい姿が目に見はいってしまった。
「偉そうな口を私にいうな!この雑種が!」
その瞬間ユリウスの事を見ていなかったため攻撃が当たりそうだった。俺ではなくエマの方に。俺が気づいたのは俺の横に拳が来た時だ。
なので俺は彼女に代わり彼女の前に立って彼のパンチに当たった。へなちょこパンチかと思ったが結構痛かった。
「ぐう、うう。」
少しねをあげるぐらいの痛みだった。こいつ、どこからそんな力があるんだよ。不思議に思った。
「大丈夫ですか隼人君!?」
「っ、ああ俺は大丈夫だよ。エマさんは?」
「敬語不要です。後さん付もやめてください。」
「ん、ああそうか。それでエマ大丈夫?」
「はい、私は大丈夫です。申し訳ありません。こんな事に巻き込んでケガをさせてしまって。」
「いやいや、大丈夫だよ。」
「おい雑種!エマから退け!エマは我の物だー!」
「ほ〜う。我の物ね〜。」
そして大声で
「ふざけるなーーーー!」
「なぁ!」
「テメーな!人を物扱いしているんじゃねーぞ!テメーはそうやって恋人を物扱いして、それ以外の奴には雑種やらと言って見下してんじゃねーぞ!」
「ひ、ひぃー!」
もはや彼の顔は泣き顔に近い顔をしていた。もはや瑛斗よりもいや、俺よりもブサイクになっていた。
「…更には女には暴力を振るうとは、どこまで腐っているのか。…テメー、覚悟が出来ているんだろうな?」
「ひ、いやーーーーーーー!?」
そう言いユリウスはどこかに行ってしまった。
そして、エマを見てみた。
少し怖がっていたのか涙目になっていた。
「その〜エマ。ごめん。」
「え…どうしてあなたが謝るの?あなたは何もしていないじゃない。」
「あー。なんだ…とりあえず俺に関わるな。じゃあな。気をつけて帰れよ。」
「ちょっとまってー」
そんな言葉を無視して俺は早速とその場を去った。
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