第7話 旅立ち
目が覚めた僕は横にミカちゃんが可愛い寝顔で寝ていることから昨夜の出来事が夢ではないことを確信した。
昨日一つ分かったことは向こうの世界とこちらの世界の時間軸は一緒だった。つまりこちらで一時間経過すると向こうの世界でも同じことになるようだ。幸い今日は金曜日。僕は学校に風邪で休むとの連絡を入れた。これで実質三日の猶予が出来た。この間にクレアさんを助けなければならない。
まずはミカちゃんとの朝食を作らないと…
コーヒーを入れて、トーストを焼く。
香ばしい香りにミカちゃんが飛び起きた。
「おはよう。」「おはようございます。ねぇ、純くん。これ食べていいの?」
「うん。歯ブラシセット用意しといたよ。先に顔洗いなよ。」「はぶらしい?」
はいはい…向こうにはないんだね。
ミカちゃんに洗面を教えて着替えを促した。
腹ごしらえをした後、旅の軽い支度をする。
ハンカチ、ティッシュ、スマホ、財布、家の鍵…
ほぼ役に立たないものをリュックに入れているような気がする。この辺が僕が普通の高校生の証拠だな。さて、後は買いに行こうかな?
僕はホームセンターでコンパス、軍手、懐中電灯などを、スーパーで非常食や水のペットボトルなどを買った。ミカちゃんが「純くん。クッキー買ってもいい?」と訊く。
ミカちゃん…遠足じゃないよ…
グランアンジェのクレアさんの家から外に出るのは初めてだ。不安だらけではあるが、僕はミカちゃんの手を引いてドアを開けた。
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