第6話 一つのベッド
「連れて行かれた?誰に?」
「分からない…ただ、鎧を着た男達で純くんと同じ髪の毛の色をしていたよ…」
とにかくクレアさんの家に行ってみよう…何か分かるかも知れない…僕はミカとクレアさんの家に行き、家の中を探した。しかし、手掛かりらしき物は見当たらない。
僕は考えた。そういえば、クレアさんは僕をエルドラの人間と間違えた。髪の毛の色で判断していたようだ。
とにかくクレアさんを助けなければいけない。
ここを出てエルドラに向かわないと…
エルドラってどこ?当然ミカちゃんも知らないだろうし…
「そういえばミカちゃんは何故連れて行かれ無かったの?」「カプセルを純くんが持っていても、私はいつでもカプセルに戻れるんだよ。寝てたらクレアおばさんの声がして物陰から見たら連れて行かれるのが見えて…怖くてカプセルに戻っちゃった。そしてまた見に来たの。一人になっちゃったから純くん呼んじゃった。」
今は夜中だし、誰かに聞こうにも誰もいないだろう。とにかくミカちゃんを安全な場所に連れて行かなくては!僕は二人で僕の部屋に戻ってきた。
ミカちゃんに「カプセルに戻るかい?」と訊くと
「ミカ、恐いから純くんと一緒に寝る…」
「そうだね…えっ!一緒にってことは一つのベッドにミカちゃんと入るってこと?」
ミカちゃんは頷いた。恐い思いをして僕の部屋にきたんだ。確かに今は仕方ない。
「ミカちゃん、シャワーの使い方分かる?」
ミカちゃんは首を横に振った。どうやら向こうの世界にはお風呂はあるがシャワーは無いらしい。
僕はシャワーを浴びる用意をして、タオルとスウェットを脱衣籠に置いた。そしてミカちゃんに説明した。
ミカちゃんはシャワーを浴びてスウェット姿で出てきた。僕はドライヤーで髪を乾かしてあげる。
ミカちゃんはドライヤーの音に始めは驚いたが「これだったんだ!ブウーンって音がしてたの!何の音か分からなかったけど、便利だね。」
クッキーの缶の中から音だけ聞いていたようだ。
彼女と一緒にベッドに入る…彼女がピッタリとくっつく。……!彼女、震えている。よほど怖かったんだろうな。「ミカちゃん、大丈夫だからね。」「純くん…」僕は彼女をギュッと抱きしめた。
僕等はお互いの温もりを感じながら夜は更けていった…
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