第3話 自己紹介と新たな召喚者
遅ればせながら女の子の名前を教えてもらった、彼女の名前は《パチフェスト》とのこと。
「大体の人からはパーチェと呼ばれていますのでそちらのほうでお呼びいただけたらと」
「おぉわかった、ごめんな、聞くの遅れてたよ、そういえば俺の名前も教えてなかったよね?俺は「
「カブラギ…タカユキ様ですね、はい、覚えました」
てな感じで今更ながら自己紹介をして、そしてついでに俺に対しての様付けをやめてもらった。
申し訳なさそうにしていたけど、俺が落ち着かないからと言って納得してもらった。
敬語もやめてほしいといったがそれは頑なに拒否された、何故?
俺は最初からタメ口で話していたからそうしてほしかったんだけど…、普通に考えたらいきなりたタメ口は有り得ないミスだと思う。
社会人経験ある癖に敬語も咄嗟にできないとかやばいわ~。
引き籠もってたのが長かったからってこれはダメだわ…。
うん、やっぱダメだ、今のうちに謝っておこう。
と思ったから謝ったんだけどタメ口でいいので謝らないでくださいと返されてしまった。
何故かと聞いたら、俺はフィーリア神に選ばれて呼び出された存在だから、フィーリア神を信仰している人達からすれば俺は使徒みたいな扱いになるんだとか…。
「じゃぁ、この国で奉られてる神はフィーリア様っていってたからみんながこんな感じの対応になるの?」
「私たちのような教会に属する者はそうですね、知ってしまったら最低でも私のような対応になりますね」
「ん?最低でも?」
「そうですよ、私はかなりフランクなほうですから、一般的な教徒の人達は様付けも絶対にやめないと思います。
ひどい人だったら拝みだしてもおかしくありませんよ?」
「何それ、怖い」
「それだけすごい存在なんです……っん?」
そんな感じで話しているとドアからノック音が聞こえてきた。
「はい、どうぞ、お入りください」
パーチェが返事をすると部屋のドアが開き、男が入ってきた。
あ、さっき二人組を待ってた体格が良い男の人だ、男の後ろにはさっき倒れてた二人組もいる。
男の子と女の子か、男の子の方は学ラン着てるし、まだちょっと幼さが残る顔をしてるから中学生くらいかな?…女の子は高校生だろうな、こっちも制服きてるし。
てか手を繋いでるねこの二人、男の子の方が不安そうに女の子を見てる、女の子の方も男の子のほうを見て安心させるように微笑んではいるが不安そうなのは隠し通せてない。
まぁ、急に知らないところに来たらそうなるのが普通だろうな…、アレ?なんで俺はこんなすぐに適応できてるんだ?普通じゃないのか?
「すいません、先ほどの男性に確認をお願いしたい」
「え、俺?」
男が俺の方に来て話始めたが確認って何だ?
まぁ聞いてみれば早いか。
「確認とは何でしょうか?」
「おお、やはり貴方様は言葉が通じるのですね!よかった、こちらのお二人にはどうにも私達の言葉が理解できないらしく、説明をすることもできなかったのですよ…」
「え?」
二人の方を見る、何を話しているのかと不安そうにこちらをチラチラと見てる…っぽくも見える。
こっちも聞いてみれば早いか。
「えっと、俺の言葉はわかる?多分日本人…だよね?」
「え!?はい、わかります!って、え?日本語?それに日本人って…!?」
「よかった、日本語は通じるっぽいな、で、もう一度確認するけど日本人でいい?」
「は…はい、日本人ですけど…、あ、そうだ!此所はどこなんです!?気がついたら知らない場所で!知らない言葉で話しかけられるし…!何が何だかわからなくて…」
二人に話しかけてみると女の子の方が答えてくれた、男の子の方はキョトンとしてる。
言葉が通じるとわかったら怒濤の質問してきてるけど、うん、俺もさっき説明されたばっかりなんだよね。
てか言葉通じてるし、理解できてるっぽいけどどういうことだろ?アレ?知らない言葉って言ったか?
うん、聞いてみる。
「ねぇ、パーチェちょっと…って何!?どしたの?」
パーチェに声をかけたら、俺を見ながら驚いた顔をしていた。
「…タカユキさんはこちらの使徒様方が喋っていると思われる言葉がわかるのですか?」
「え、そりゃ同郷だしわかるけど…え?わからないの?…アレ?俺もこの子達と同じ言葉で喋ってたつもりだったんだけど…」
「…いえ、最初から私達と同じ言語で喋っていましたよ?」
「……えっと、ちょっと待ってな、確認してみる」
確認するために二人組に声をかける。
「ねぇ、今俺、あの女の人と話してたでしょ?内容はわからなかった?」
「は、はい…何か話してるんだろうなとは雰囲気でわかりましたけど、内容は全然わかりませんでした…。外国の言葉か何かですか?」
「……まぁ、大まかにいえば外国語でもあってるんだろうけど…」
さて、まとめよう
俺は最初から日本語で話しているつもりだった、だけど異世界の人達には、自分達と同じ言語で話してる様に聞こえてたらしい。
逆に同郷の相手、日本人のあの子達からしたら異世界の人達と話してる最中の俺は違う言葉で話してる様に聞こえていた。
あ、多分だけどわかった。
これは、もっと早くに気が付いててもおかしくなかったのに、ちょっと混乱してたのもあるけど、気がついてなかった。
髪の色も顔立ちも日本人とは違うのに、日本語で話しているのにも違和感を持っていなかった…。
そういえば、先ほども二人組を見た時にちょっと思ったけど、俺はなんで違和感も持たずにこんなに早く適応できてるんだ?
言語の事は別としてもパーチェから話を聞いてても違和感なく受け入れられていた…。まるで最初からある程度は知っていたみたいに……。
…元の世界にいた時にもこんなに適応、対応もできるような人間だったか俺は…?少なくとも病気してからは出来てはいなかったハズ……。
まぁ、今はいいか…。
先にパーチェに話せる事について分かった事を報告しておこう。
「パーチェ、俺はずっとこの子達と同じ言語で話しているつもりなんだ。」
「え?」
「多分だけど話す人に合わせて、言語が自動で切り替わってる、俺からしたら聞こえてくる言葉も話していた言語も、全部俺が元いた世界で使っていたモノにしか感じられないのに。んでさっき加護の事言ってたろ?」
「あっ…!、ということは…。」
「うん、俺の加護ってこういうのみたいだ。」
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