第2話 簡単な説明と願い
それからいろいろな説明された。
まだ話しの途中だけどまとめると
・この世界では神が実在してるという事。
俺を召喚した儀式も神に願いたててそれを神が了承したら実現される仕組みらしい。
・この世界には魔法と呼ばれる不思議パワーがあるという事。
これについては後で他の召喚者達と一緒に適正などの検査するそうだ。
その時に詳しく魔法については話してくれるそうなので、詳しくはわからない。
・召喚者は俺一人ではないという事。
召喚者達と先ほどいったが、今回は俺が一番最初に召喚されただけで毎回複数人は召喚されるらしい。ちなみに召還時の願いの大きさによって人数は変わるんだとか。
・召喚された人は何かしらの能力、加護というらしいのだがそれをもっているらしい。
それがどのような加護なのかは基本的にその加護を持っている人しかわからないらしい。例外はあるみたいだけどね。
ちなみに俺は何の加護をもっているのかわからない。
一応文献では召喚された時に自然にわかるようにされているとなっているらしいんだけど…。
「そういえば何か体が軽いというか…頭がすっきりしてる?アレ?手の痺れとかもなくなってる…?」
というか病気してた時に感じてた、体の違和感や不都合が無くなっている!?
「もしかしたらその関連の加護なのかもしれませんね、そういえばお怪我しているとも最初言われていましたし」
「そっか…、なんか微妙なのだったらごめんね…。役に立たない可能性もありそうだし…。もしかしたら無い可能性だってあるかも」
「い…いえ!先ほども申し上げましたがこちらの都合で来ていただいたのです!
どのような物でも文句を言うはずもございませんし、少なくとも私は来ていただいただけでも感謝しております」
「…うん、そう言ってくれるならよかったよ」
この子が優しくてよかった。
人に使えないと思われたり、邪魔に扱われるのはなかなか堪えるからな…。
病気が判明してから……って、うん!あんま思い出すのはやめよう!キツイわ。
「ええっと…すいません、続きを話させていただきますね。
先ほど神様がこの世界には実在すると申しましたが、これは一神だけではございません。この世界を作り出したと伝えられている神様は四神在られるのです。
ちなみに召喚の儀式に応えていただけるのは、この国で奉られている神である人の神、《フィーリア》様になります」
「へぇ、俺の世界にも神はいるとは言われてたけど本当かどうかわかんなかったからなぁ…、そこらへんもやっぱ違うみたいね」
「そのようですね、そちらの世界の神様についても気になるのですが、すいません…続けますね」
「あ、はい」
「四神をそれぞれ申し上げますと、まず人の神となる《フィーリア》様、異人または亜人の神である《エディオトロメア》様、動物や植物を司る神の《アフィロティーア》様、魔族や魔物達の神である《オルディーナ》様。
この四神の神様がこの世界の根幹でこの世界を支えているといわれています。
ですからどの神様が欠けても、この世界は崩壊へと向かっていくと伝えられているんです」
ほうほう、いろんな神様がいるんだな、まぁ四神だけだし覚えやすいな。日本みたいに八百万とかじゃないし。アレ全部言える人っているの?
「…そして貴方様をこの世界に召喚した理由はこの神様のなかの一神が欠けたと神託が届いたからなのです」
「…ん?どゆこと?神様が欠けたらダメってさっき言ってなかった?」
「はい、ですから言い伝え通りなら現在この世界は崩壊へと向かっております。
ただ神託を受けた巫女が言うにはすぐにどうにかなる事はないそうなのですが……」
「ん~と…、すぐじゃないとはいってもそれはどれくらいの時間が残ってるとかはわかってるの?
てかそんな事になってるんなら俺とか異世界から人間呼んできても役に立たないんじゃない?
こちとらただの一般人よ?加護なんてものがあっても世界崩壊を止める方法なんてわからないし想像もつかないわ」
「時間については人一人の一生分くらいはあるそうですが…時間がたつにつれ崩壊は進んでいくらしいです。今は残られた神々が崩壊を食い止めているらしいのですが…。
後、召喚された人物がどのように活躍されていくのかについては…すいません、私たちにはわかりません。
召喚の願いをして代償となるものを用意してからの事はわからないんです。
……一応文献には召喚時の願いを叶えるために必要な存在が来るとは書いてあったのですが…。
今回の場合は世界崩壊レベルの事象を解決なさる願いのうえで召喚の儀式がおこなわれているはずなので、役に立たないなどの事はないと思うのですが…。
……本当にこちらの都合に巻き込んでしまって本当に申し訳ありません…」
話してるうちに申し訳なさがでてきたのか頭を下げて謝ってくる。
そして頭を上げた時、覚悟を決めた顔をして、地面に座り此方を見上げながら喋り始めた。
「しかし、…この世界のために動いてほしいのです!
…勝手ということはわかっております…。崩壊を止める方法もまだわかっておりません。
しかし…しかしっどうか!…この世界を救うために動いてはいただけないでしょうか……。
……お願いしますっ!」
そういって地面に頭をつける。土下座だ。
うん、多分この子は召喚について悪い事をしてるって自覚はあるんだろうな。召喚っていっても拉致みたいなもんだし、多分それを理解しているから何か説明する毎に謝っているんだろう。
世界を救うためとはいえ召喚はもう成されてしまったから、もう後戻りはできないから、今できることは謝罪をして願う事しかできないから、申し訳なさを、罪悪感を感じてもこの世界のために動いてほしいと願いを込めて、ただひたすらにお願いするしかないから。
まぁぶっちゃけ俺はいいよ、死にかけてたし、実際死んだと思ったし、生きてたとしても何一つとして役に立てない塵みたいなやつだったから。
再び動けるようになって人のためにできるようになってるだけ儲けもんだ。…もう誰からも見向きもされないあんなのはイヤだからな。できることがあるならやるさ。
こんな役立たずの俺がもうされることはないと思ってた期待をされているんだからさ。
普通の人がこんな話を聞いても、何故こんな考えになるのか理解できないと思うけど、一度失って、もうダメだと思って、どうにもならなくなってしまって絶望した俺には、こんな嬉しいことはないんだ。
まぁ、役にたてるのか、これからどうなるかとかはわからないけどさ…。
「……俺は幸せだな…」
「え?」
「いや、何でもないよ…んでさ、頭を上げてよ…。
俺に何かできるなら手伝うからさ、世界を崩壊から救うとかちょっと、とてつもなさすぎて想像もつかないけど。…こんな俺でよければ手伝わせてもらうよ」
「え………本当に、…本当にいいんですか…?
この世界に貴方様は関係ないんですよ…?無理矢理連れてこられて…」
「いいんだ、もう決めたから」
「っ………ありがとう…ございます…」
「…てかすぐ信用してくれるのな!
いろいろとこの世界のこと知ったら嫌だーっ!ってなって逃げちゃうかもしれないのにさ」
「…ふふ、こちらは信用するしかないのですよ…、貴方様方に見捨てられ、逃げられてしまったらその時点でこの世界は終わっちゃうんですから」
「それもそうか…って、んん!?」
なんか人垣の向こうが光り始めたぞ?
「あ、他の方も召喚されるようですね、あの光は召喚されるときの合図のようなものなんです」
え?マジで!?めっちゃ見たいんだけど!俺がどんな感じで現れたのか見たいんだけど!!
「マジで!?見てみたい!どんな風に召喚されるか見たい!ちょっと見てきていい!?」
「え、あ、はい…それは問題ないと思いますけど…あ、待ってください!」
いいと言われたから台座のところまで急いで戻る。
うわっ、めっちゃ人集まってる!てかこの人達体幹ヤバイな!全然割り込めそうにない!マジかよ!?
「待って…!って…あ…光が収まってきちゃいましたね」
「マジかぁ…!見れんかった…、どんな感じだったんだろ…。
取り敢えずどんな人が召喚されたのかだけでも見てみるか…。あ、見に行っても大丈夫?」
「はい、大丈夫だと思いますよ。少し待ってくださいね」
そういって人垣の方に歩いて行って、そこにいた人に何か話し始めた。
おぉ!?人垣が割れて通れそうな感じに道が開いた!何かわからないけどすごい!それと同じに怖い!
「さ、どうぞ、いきましょうか」
女の子に先導されてさっきの台座のほうまで歩いて行く。
誰かいるのが見えるけど…倒れてる!?あ、さっきの俺もあんな感じだったか…。でも大丈夫なのかな…?
「あ、台座の外側で待っていただけますか?一応決められた者だけしか入ってはいけないことになっているので」
「ん、ああ…」
台座の上にはまだぼんやりと魔方陣みたいなのが光っているな。
倒れているのは女の子…と男の子かな?二人組で倒れてる、そのそばに立っている男がいるけどあれは何だろう…。
起きるのを待っているのかな?
多分説明役か何かなんだろう。こっちの人も修道服みたいのきてるし。ただめちゃくちゃ体格いいなぁ。服の上からでもわかるくらいには凄い。
ん?説明役って事は召喚の度に俺がされたみたいに説明とかするのこの人達?
え?いつ終わるのこれ。必要な人材だけ召喚されるんでしょ?
しかも一回の召喚まで結構時間かかるようだし、俺が召喚されてから大体30分くらい経ってるぞ!?
えぇ…、どんな感じで召喚されてるのとか気になってたけど待ってるのも怠いわ…。
「なぁ…」
「ん、なんでしょうか?」
「とりあえずさ、全員召喚されるまでどっかで休ませてもらっていい?」
「あ、はい、大丈夫ですよ、部屋が用意されてますんで。ではこちらにどうぞ」
うん、取り敢えず召喚が終わるまでは休ませて貰うわ。
案内された部屋は学校の教室くらいだった、椅子にテーブル、飲み物とかも用意されてて案外快適だった。
案内してくれた後、女の子は座らずに立っていたんだけど落ち着かないので座ってもらった。
あ、結構話してるのに俺この子の名前知らないわ。
自己紹介もしてないとか何やってんだよ俺。
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