『リブート』についての断片的な情報

『愚者の使い』騒動に関連し、それまで秘匿だった『リブート』についての情報が断片的ながら公開された。


下記の情報は各マスコミ、ネット上、情報屋連絡網、口コミ、占い師の予言などを通じて広がり、一定の信用が置けるが錯綜しており、混乱している。


・『リブート』は全員が狂気に染まっている。なので彼らの発言は一切信用してはならない。


・『P・W・カンパニー』は『リブート』からの攻撃に対してコロニーマスターおよびその配下の軍勢による迎撃を禁止すると発表している。これは『リブート』以外の敵対勢力の動向に対応するためと、内部にスパイが潜んでいる可能性を考慮したためである。なので彼らの討伐は外部機関の『ハンター』に一任されることとなった。


・『リブート』という組織は、カンパニーが生み出した『禁忌』より派生した『禁忌』であり、構成メンバーのほとんどがその『禁忌』によって産まれた、らしい。


・『リブート』の組織としての業務は『異世界のリセット』つまりはカンパニーや他の転生者、転移者によってめちゃくちゃになった世界を一度破壊し、再生し、また一からやり直させることにある。そうしてリセットした世界を転生者やそれを送り出す『神』などの組織へ転売することで利益を受け取っていた。


・現状の戦力では古代ローマレベルの文化文明を数カ月で画一的な中世ファンタジー世界文明にまで衰退させることができる。


・『リブート』はその非人道的な活動故、責任が飛び火しないようにと『P・W・カンパニー』とは独立した関係にしてある。相互間は連絡員の『道化』現在は『愚者』を名乗る男を通してやり取りしていた。現在はその関係は終わっている。


・組織としての歴史はカンパニー内ではかなり古い方であり、最初期のスポンサーと面積がある数少ない組織の一つでもある。それ故に、カンパニーの創設理由についても詳しく、その抹消の意味もあって討伐依頼が出ている。


・これは予測であるが、『リブート』という組織は世界の壊し方を熟知しており、支配者である頭を破壊するよりも、それらを活かす手足を攻撃して不満を募らせ、そこから群雄割拠に分離して各個撃破した方が滅亡に近づくと考えている。つまりは上層部を狙わずに下層部を叩いての混乱が狙いだと予測される。


・『リブート』との和解は不可能、どちらかが絶滅するまでの全面戦争しかない。


・戦闘は必ず死をもってでしか終わりがない。半端に見逃したり、生け捕りを企むものはその時点でカンパニーへの反逆と『リブート』への加担とみなされ、処刑対象となる。


・メンバーの全員がコードネームを『世界』と変えた謎の人物を崇拝しており、方向性や解釈の違いはあろうとも、全員が『世界』のために動いている。ただし、どういうわけだか今回の討伐云々に『世界』のことが含まれていない。

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