第27話・交渉人、水ようかん
「小次郎、洗濯機止まったよ」
「お、さんきゅ。さーて洗濯日和、お掃除日和、買い物日和ときたもんだ~」
親父がいないと洗濯物が溜まるペースが緩やではあるが、夏ともなると一日一回の洗濯は欠かせない。
そして当たり前の話だが、いくら家族同然とはいえ同年代の女子に洗濯をさせるわけにもいかん、っつーか俺は本来家事炊事は一通りこなせるのだが、炊事に関してのみ隣人の介入が頻発しているだけである。
ちなみにその当人は、食器の洗い物が終わって歯を磨いてこれから自宅に戻るとこだろう。
シュリーズは何やら新聞とにらめっこしている。
平和といえば平和である。天気も良いことなので、掃除と買い出しも済ませておくか。
「ふぁえ。ふゅぃーふあいはっふぇんふぉ?」
俺と入れ替わりに脱衣所から出て行った正宗が、歯を磨きながらシュリーズに声をかけていた。
「おい正宗。人ん家で歯磨きしながらうろうろすんな」
そもそも同級生男子の家で歯磨きしている時点で言語道断なのだが、今更それを言っても始まるまい。
「いーふぁん、ふぇふふぃ」
「…分かったからせめて喋るのはやめてくれ。溢れたらきちゃない」
「ふぁい」
脱衣所から首を出して文句を言う俺に、ざーとらしく敬礼しながら。
というか正宗が訊いていたが、シュリーズは何やってんだ?
脱衣カゴにあけた洗濯物を抱えて居間に戻ると、新聞を前にしたシュリーズが正座で腕組み、その上首を捻っているという、なんとも形容のし難い状態でいた。
「………いやな、日曜の朝から大変堪能し、我が夢の一端はかなった。そしてもう一つの夢を探していたのだが、どうにも見当たらん」
変に思った俺の問いかけに、重々しく答える。
なるほど、お前の夢はどっかうわっついた雰囲気のある日曜日の朝刊にあるのか。
「ふーん」
あまりまともに取り合ってもアホを見そうなので、軽く流して洗濯物を干しに裏庭に出る。
ベランダの無い一階の住人には裏庭の物干しを開放しているのだが、この天気の中まだだーれも利用していない。やる気あるのかウチの住人ども。
「よっと」
縁台の下に仕舞ってあったサンダルを引っ張り出して履き、裏庭に下りる。
「おー、いい天気だ。湿気がなけりゃなおいいが」
特に返事は期待せず、脱衣カゴを手に物干し台に歩み寄ると、
「はぁい、コジローちゃん。おっはー」
と、なんとも間の抜けた声が二階から聞こえてきた。
「ん?なんだ、アナかよ。えらい遅い朝だな」
「徹夜明けよ、徹夜明け。距離の壁は無視出来ても時間だけは場所関係無く平等よねー」
徹夜明けに相応しいテンションでケタケタ笑っている。
あいつもマンガ家のアシスタントだかなんだか知らないが、なかなか寿命を縮める生活してやがんな。
「シュリ子はどしてるー?」
「いやあのな、シュリ子とか自分のものみたいに言わんといてくれ。なんか新聞紙とにらめっこしてるが」
一方でシュリーズの方は、多分アナには気付いていないと思うが、それでも俺の返答には満足そうに頷き、空になったビール缶を振りつつ、ベランダの衝立の向こうに姿を消していった。
「…アナー、夏場は特に布団干しすぎると痛むから適当に片付けろよー」
干しすぎどころか夜まで寝転けて湿った布団に包まる羽目になりかねんが…まあそこまでは俺の責任じゃねーかと、物干しの続きにかかった。
つーても男一人分の洗濯物だ。大した量があるわけじゃない。ワイシャツと下着に靴下、普段着もまあそんな凝ったものを着る習慣も無いのでものの五分くらいで終わるくらいのもんだ。
ちなみに、であるが、シュリーズの着るモンについては正宗の家で洗濯することで話がついている。ま、そりゃそーなんだが、俺としては居候に自活自立の精神を植え付けるために、洗濯機を二階に設置したいところで、しかし今のところヤツの収入の道が確立していないため、まだ計画の段階である。
ま、それはともかくとして。
干し物が終わって部屋に上がり込むと、いつの間にか正宗の姿が消えていた。
「ん?あいつ帰ったのか?」
「いや、自宅に雑誌を取りに行った。てれびがいど、とか言っていたのだが」
「はあ?というか、お前ら何やってたんだよ」
「だから言ったではないか。我が夢の一端を見つける、と」
ラジカセを探す。意味が分からんので通訳させようという意図であったのだが、そんな俺の視線に気がついたシュリーズが言うには、何だか正宗にくっついていったとかなんとか。あのガラクタめ。
「ただいまー、ってのも変ね。こんちゃー」
そして所詮隣の家である。出てって一冊雑誌取ってくるなら三分もあれば充分だろう、ってことで正宗が戻って来た。
「何探してたんだよ」
「今週のテレビガイド。なんかねー、深夜アニメが見たいんだってさ」
「はあ」
「うむ、我が夢の一端である。というか私がよく読んでいたものの中では、ひどく面白いもののように描写されていたからな。楽しみにしていたのだ」
「…もしかして仮面ライダーとかも?」
「当たり前であろう。日曜日の朝の定番がとても、とーてーも!!楽しみだったのだ!!」
…なるほどな。影響された元ネタが偏っているもんだから、この有様というわけか。
「しかし、アニメが見たいなら別にわざわざ夜中見なくてもいいんじゃないのか?つーか夜中にそんなもん放送してたっけか?」
「うーん…あたしもそう思ってテレビガイド持ってきたんだけど…」
月曜日から順番に追っていたのだろうか。今は水曜日のところを開いている。
指で深夜といえる時間帯を探している正宗だったが、俺もその指を目線で追いかけていくものの…。
「…番組の名前に馴染みが無いから分かんないけど、アニメっぽいのって無さそうだよ、シュリーズ?」
「…正宗。冗談は止せ。ニホンと言えばあにめーしょん、あにめーしょんと言えばニホンではないか。無いわけがあるまい、もう一度探してくれ!」
日本に関する理解として後者は有り得なくも無いが、せめて前者は勘弁してくれ。
つかな。
「お前ラジオも兼ねてるんだからそーいうの分からないのか?」
ふんよふんよと漂っていたラジカセに聞いてみる。ところでこいつは浮きながら正宗にくっついていったのだろうか。
「ラジオにテレビのことが分かるわけなかろう。しかも『でじたるほおそう』のことなど」
わざとらしいカタコトによって胡乱っぷりが三倍くらいになっていた。何かと「~アル」と語尾につける中国人キャラのようだ。
「そんなこと言ってもねー…番組名いちいち検索するのも面倒だよー…」
諦めの悪いシュリーズにせがまれ、仕方なしに付き合う正宗だったが手段の煩雑さにそろそろ音を上げそうになっている。まあ俺だったら「てめーでヤレ」と言ってとっくに突き放しているだろうけど。
「…あーもー、しょうがない。シュリーズ、すぐ解決してやるからガマンするんだぞ」
「あれ、小次郎。何かいい案あるの?」
「いい案というか…便利なヤツを召喚しようかと。こういう時限定だろうけどな」
「ほう、流石だな小次郎。知己に、優れた人材を得るのは才覚として最上の…」
「あもしもしアナか?まだ起きてたらちょっち下に来てくれね?」
「む、アナスタシア殿のことだったか。まあ確かに適任だとは言えるが、なんとも世話になりっぱなしで申し訳のないことだ」
「あー、じゃあおねーさんの同人誌の手伝いでもしてくれない?」
「わひゃぁっ?!」
いた。というか、電話が切れたと同時に玄関が開いていた。瞬間移動か。
「ハァイ!お召しにより参上したわよん」
「もう来た?!」
「あ、ごめーん。あたし食器返しに一度戻るねー。落ち着いたら呼んでー」
「あらムネの字。いたの?」
「いましたよー。あとムネの字ゆーな」
正宗はアナに体型の一部についてよくからかわれているのでこういうテンションが高い時は苦手にしているのだ。セクハラともいう。
俺の足の下でラジカセがもがいているのはどさくさ紛れに正宗についていこうとしたからだったが、別にこいつの場合大人しくしてりゃ害はなかろうに。
「まったねー…っと、さて何ごと?これから寝るとこなんだから、つまんない話だったらシュリ子を抱き枕として一日借り受けるからね?」
「このクソあちーのに抱き枕とか、聞いただけで汗の出る話だな…あーまあ、聞きたいこと聞いたら帰っていーから。何なら仁村屋の水羊羹つけてやるから。な?」
「あん、しょうがないわね。大好物を出されたら逆らえない体にしてしまったのは貴方だから…」
うまいこと餌付けされただけと言わんか、それは。それならシュリーズも似たようなもんだが、燃費の悪さにかけてはヤツはアナの遙か上を行く。
「で、話ってなに」
「いきなり素に戻るな…。シュリーズ、ほれそこのテレビガイド寄越せ」
「う、うむ」
手渡されたテレビガイドを開き、適当な曜日のページをアナに差し出して聞く。
「この中で深夜アニメってどれだ?」
「しんやあにめ?」
何を言っているんだこいつ、みたいな目で見られた。というか俺の口から出るには馴染みの無い単語だったで、意味が分からなかったのかもしれん。
「シュリーズが興味あるらしいんだが、どうもどれが該当するのか分かんなくてな。お前詳しそうだし、教えてくれ」
「教えても何も。そんなんないわよ、この中には」
「え」
思わず凍り付いたのは、俺の背中から様子をうかがっていたシュリーズ。
「深夜アニメだとか、東京とかそっちのキー局でしかやってないってことよ。地方だと…やってるとこもあるけど、こっちは特にそういうの無いからねー」
「まっ………………まじで?」
「うん、マジで」
…シュリーズが「マジで」と言うとかそっちがマジでか。有り得ないものを見たような気がする。いや、それくらいショックだったのかもしれんが。
「別にアニメが見たいなら深夜に拘らなくてもいいんじゃない?国民的一家と国民的少年探偵と国民的青タヌキくらいしかここらじゃ見られないけど」
いや、流石にそれだけってこたないだろ。今朝シュリーズが見ていたのもあるし。
まあでも、アニメ番組に関してシュリーズが絶望するような環境だってのは分かった。
「ま、しゃーないだろ。諦めろ。アナもさんきゅーな。今報酬持ってくるわ」
「…ダメなのだ」
「ん?」
買い置きの水羊羹を持ってこようと立ち上がった俺の足下で、シュリーズが崩れ落ちていた。
「そういうのでもこういうのでもあーいうのでもない!私が…私が見たいのはなっ!!」
「おま…いや、何してんの」
「あー、コジローちゃん。ちょい待ち」
「何だよ」
アナは、シュリーズを立ち上がらせようとした俺を制止し、四つん這いになって駄々を捏ねているよーにしか見えないその傍らにしゃがみ込む。
「シュリ子や。今からわたしが言うことをお聞き?」
そしてその伏せた顔に口を寄せ、耳元で何やら呟き始める。
一言、また一言。
その度にシュリーズの顔の角度が上がり、それにつれて瞳に輝きが戻っていく。
終いににゃあんだけ避けまくっていたアナの手を両手で握り、救われたような表情で見上げている。
さながら迷える子羊が救われたか、という具合だが…アナが少しばかり、邪悪な含み笑いしてさえいなけりゃな。
「結局何なんだ」
「要するに、シュリ子の見たかったのは深夜アニメだということなのよ」
「どっこも要していないだろ、それ」
「分かってないわねー、コジローちゃん。深夜アニメっていうのは、大衆受けしづらいニッチな内容の、妙な拘りの強い内容が多くってね。シュリ子が見たがっていたのはそういうのなわけよ」
「うむ、私ではそのように上手くまとめることが出来なかったのだが、そういうことなのだ!」
「そんな力一杯主張するようなことなのかね…」
「好きな人には大事なことなのよ、コジローちゃん」
拳を握りしめて力説するシュリーズを、生暖かい目で見守りながらアナが分別くさく頷いていた。いささかならず胡散臭い態度ではある。
「じゃ、報酬を頂くとしましょうか。ふふん、仁村屋の水羊羹は久しぶりね」
「お。おお、分かった。今持ってくるけど…って、なんでついて来るんだよ」
「ん?お宅の冷蔵庫拝見~」
「そんなもん見て何が楽しいんだか」
「実を言えばもっと高いものがあればころしてでもうばいとる!」
味覚まで生粋の日本人に育ってしまったためか、こいつは洋菓子より和菓子の類の方が好物なのである。といって老舗のお持たせするよーな高級なものより餡子なんぞをふんだんに使ったお安いのがお好みというヤツで大変助かる。
仁村屋の菓子にしたって、買いに行くならバスか自転車が必須とはいえそれほど高いもんでもない。勉強の時のカロリー補給用に買い込んであった分の残りを分けてやれば喜ぶんだからこちらとしても手間はかからない。
なので、実際には高級和菓子なんぞが冷蔵庫に入っていても奪われる心配などないわけだが。
「そういやさ」
冷蔵庫を開けながら訊く。
「さっきシュリーズにボソボソ言ってたのは何だったんだ?」
「ああ、あれ?二、三年くらい前にアニメ化されていたラノベのタイトルをいくつか。あの子深夜アニメっていうかそういうのが好きみたいね」
「なるほどな」
俺は読んだことは無かったが、どうも趣味が偏っているというか、言動の端々に勘違いっぷりが漂っているように見えたのはそっちからの影響だったか。
他人に迷惑かけない分には大概のことにゃ口出しするつもりもないが、あいつの場合割と洒落にならんことになりかねないからなあ。どこかで歯止め掛けられるようにしないと町内に累が及ぶ…てなことを考えながら冷蔵庫を探っていたのだが。
「…ありゃ」
「およ、コジローちゃん変な声出してどしたの」
「いや三つあるかと思ったら一つしかなかった…」
…って、犯人決まっているか。多分親父だろう。大体出国する前は和風のもんを大量に摂取していく悪癖があるし。くそ、俺の糖分補充用で奥に隠しておいたやつなのに。
「まあいいか。アナ、一つしかないからこれでいいか?」
「いいわよん。どうせこれ食べたら寝るから」
「ほれ」
と、渡そうと放ったら…アナの手の前でシュリーズにかっ攫われた。
「…おい、どういうつもりだ」
食い意地が張っているのは分かるが、少なくとも他人のものを強奪するような真似をするヤツではないと思っていたのだが。
そう訝しんでいると、アナはキャッチしようと構えていた手をそのまま腰に当て、憤慨の構え。普段正体の分からん言動の多いアナにしてははっきりした態度である。
「シュリ子?それはいくらなんでもおいたが過ぎると思うんだけれど?」
口振りは相変わらず軽いままだったが。
「………」
そしてシュリーズはといえば、不満を隠さないトンガリ口でこっちを睨んでいる。奪った水羊羹は渡しはせんぞ、とばかりに胸に抱え込んでいるが、指先をプルタブにひっかけて開けようとしているのを俺は見逃さなかった。
「シュリーズ、それはアナにやるやつだから返せ。おやつが欲しけりゃ親父の買ってきたひよ子がある。そっちをやるから、な?」
「コジローちゃん…そんないいものがあるなら私にも」
「腹ペコキャラは一人で間に合ってるっつーの」
いけずを見るような視線を無視して、シュリーズに引き渡すよう説得するが、何が面白くないのか半歩、また半歩と後ずさりで遠ざかっていく。
「…アナスタシア殿に報酬を与えるのはまだ早い……問題は解決していない…」
「あん?」
そうしつつもその口から出てきた要求は何を今更っつー気もしたが。
「お前、深夜アニメが見たいとかゆーても放送してないんじゃ物理的に無理だろうが」
「だが…だがっ!我が夢の一つがこうも無碍にされるのは我慢がならぬ!アナスタシア殿、解決の手段を呈示せよ!この…みずようかん?はそれが果たされるまでは我が手に預かる!……小次郎、開け方が分からない。教えてくれ」
人質を保全しようっちゅー気の全く無い誘拐犯だった。
まあいいか、それよりも今は…。
「あーもう、しゃーないなあ。アナ、ひよ子で勘弁してくれないか?五つばかりあるから全部やるし」
「小次郎っ?!そ、そのひよこ、なるものは私の分もあるのでは?!」
「知らん。そっちの水羊羹はお前にやるから諦めろ」
「な、なんという愛の無さ…っ!お前はみずようかんが可哀想だと思わぬのか!」
まあ別に水羊羹に拘る必要もないわけだし。というかひよ子がシュリーズに対する切り札になるとは思わんかったが。
「ん~?別にそれでも構わないけど…でもね、シュリ子や?テレビでなくても良いなら見る方法が無いことも無いんだけどね」
「なに?」
あ、唐突に嫌な予感。
「ネットで見られるわよ。アニメそのものなら。全部じゃないけどね」
「詳しく!!」
「ちょい待て…アナ、こっち来い、こっち」
「あ、小次郎!話を先に…」
「先に相談させろ。それまで人質は大事にしとけ」
そう言って俺はアナを玄関まで連れて行く。待ちきれない、という態でいるシュリーズを目線だけで押し止めておく。
「…何か拙かった?」
「いや、なんかあいつにネットとか与えるとヤバい気がして」
「あー…」
台所まで声が届かないよう、声を潜めて告げた俺の懸念にアナは納得がいったようだった。
「それにそういうのは…なんだっけ。違法動画?だったかで見ない方がいいんじゃねえのか?」
「いやこれでもマンガ家志望なんで、そーいうのを勧めるつもりは無いんだけど」
「ああ、そっか。そりゃ悪いことを言った」
少し渋い表情をする辺り、本当に苦々しく思ってはいるらしかった。
「んじゃどうすんのさ」
「最近はちゃんと公式に配信しているサイトあるよ。少しお金かかるけどね」
「ほう、幾らくらいで」
平日の昼日中に暇させているくらいならテレビでも見せておいた方がマシな気もする。少しくらいであれば金銭の出費もやむを得まい。
「んー、サービスにもよるけど月に千円くらいから。衛星放送入れるよりは安上がりだと思うわよ」
「安いな。どっかの受信料払うよりもマシなんじゃねーの」
「専門チャンネルみたいなものだから一概にそうとも決めつけられないけどね。どうする?コジローちゃんがそういうの詳しくないなら手続きしてあげてもいいけど」
「うーむ…」
とは言ってもなあ。シュリーズにネット触らせることの懸念が払拭されるわけでもないし。
「何か他の手は?」
「ネット触らせないというならねえ…ちょっと待ってて。取りに行ってくる」
唐突な申し出に止める間も無く、自分のつっかけを履いて出て行くアナ。
取り残された俺が所在なく振り向いてシュリーズを振り向いて見ると、流石に怪訝な顔をしていた。
「…何か考えがあるっぽいな。戻って待ってようか」
「う、うむ…ところで、ひよこというものを所望したいのだが!是非!」
「………まあ、待っているだけってのも芸が無いから茶でも煎れるか。ついでに正宗呼びだしといてくれ。電話のかけ方覚えただろ?」
ホントーに、ブレないヤツである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます