なごり雪

『淡雪やいつしか雨にかわりけり』


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そういえば「なごり雪」という歌が流行ったことがあった。


春、はじまりの季節の別れを歌ったこの曲は、遠距離恋愛をしていた わたし達の不安と切なさに重なって、よく口ずさんだものだ。


なごり雪は残ったのに、それは結局、溶けて雨になって流れてしまった。


思えばはかない雪だったのに。


その時、わたし達は知るはずもなかった。

別れの意味や哀しみを知るには幼すぎた。


ただ 淡雪の優しさが愛おしくて見つめ合っていた。


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