衝突-3
窓から銀色の月光が差し込んで、俺の部屋は青白くライトアップされていた。雨は、いつの間にやんだのだろうか。
電気を点ける気にもなれず、ベッドに腰かけると、俺は半ば染み付いた習慣でメニューウィンドウを開いた。
所持アイテムの総量が、やけに増えていることに気づいた。装備品の欄を開くと、手に入れた覚えのない品の数々がずらりと並んでいて、目を見張った。
大量の文字の羅列の中で、まるでそれだけ光を放つように、俺の目に留まった名前があった。息を呑み、体は金縛りにあったみたいに動かないのに、俺の指は無意識に、それを物質化した。
月明かりだけがぼんやり照らす、暗い部屋の中心に、銀色の柔らかい燐光が灯った。俺の顔の前で物質化した銀色のリングは、大きな星が降るように、光の尾を引きながら、ゆっくりと俺の手に落ちた。
《イージス・リング》。
これを装備する日を、シュンがどれだけ夢見ていたか。
涼しい銀色の輝きを見ていると、この世界で見たシュンの笑顔が、次から次へと浮かんでくる。システム上は装備状態になっていないのに、シュンは風呂に入るときだって、ついに一度もこれを肌身離さなかった。
震える手で、俺はそれを、首にかけた。途端に小さなウィンドウが開いて、無機質な字で、こう告げた。
『《イージス・リング》を装備しました』
「……ぅ…………ぅぁ……!」
熱い液体が両目から溢れて、抑えが効かない。泣くのは、これを最後にしよう。俺にそんな資格などないのだから。そう心に決めながら、声が嗄れ、涙が
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