ユートピア-3
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Name:【Shun】 Level :1
職業:《ファイター》
STR:31
VIT:24
INT: 3
AGI:10
LUC:10
HP:195/195 SP:9/9
攻撃力:26(+20)
防御力:20(+15)
《ジョブスキル》
①【闘争心】…武器を抜いた状態のとき、攻撃力1%上昇
②【????】…熟練度50以上で解放
③【????】…熟練度100で解放
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シュンのステータス画面を覗きこんだ俺は、低く唸った。
「どうなのこれ、すごいの」
シュンはあまり興味なさげだ。自分ではステータスの開き方も分からなかった彼にとっては、ただの数字の羅列なのだろう。MMORPGとは、この数字の優劣を競うゲームであるといっても過言ではないのに。
「筋力たけぇ……知力低っ」
「いま遠回しに脳筋って言わなかった?」
あえて否定はしなかった。どうにも、ステータスの個人差が、選んだジョブの個性を越えている気がする。これでは同じジョブを選んだ人間でも、ステータスは全く違う可能性が高い。
どちらかというと、この数値を見て浮かぶのは「シュンっぽいな」という感想だ。ふと、俺の中で突飛な仮説が立ち上がった。
個人のステータスには、選んだジョブだけでなく、現実の肉体や脳の性能が、少なからず影響しているのではないか。
筋力の瞬発力や持久力は、現代の科学力なら寝ている人間に対しても測定はそう難しくない。脳機能も同様だ。
そもそもこの仮想世界で思いきり体を動かしてもカプセルの中で手をぶつけずに済むのは、脳による運動命令を遮断し、この世界の
つまり俺たちの脳はシステムの管理下にあり、丸裸も同然と言っていい。あのカプセルの中で、何を調べられたとしても不思議ではない。
「現実の能力と趣向に寄せたステ振り……面白いな。俺みたいなインドア派にはキツイ仕様だけど、ゲーム勘も埋めようがない差ではある……バランスとれてるのかも。筋力面で女性や子供は不利な気がするが性別や年齢に合わせて調整が入るのか? 母さんのステータスも見せてもらわなきゃ。……けど、それなら俺のアジリティーは……バグか……?」
「いつまでブツブツわけわかんねーこと言ってんだよ。こんな数字、どうでもよくないか? オレ、そんなことより色々と探検したいんだけど。外国に来たみたいでワクワクする!」
俺はムッとして言い返した。
「ゲームなんてしたことないお前には分からないかもしれないけどな、俺は今、ゲームの世界が現実になったことに、何よりテンションが上がっている」
「兄貴はこの数字見て楽しいの?」
「当たり前だ。いいか、コレはお前の筋力、コレは体力を表している。レベルが1って書いてあるだろ? 外に出て、その剣で敵を倒せば、この数字が上がっていくんだ」
弟の目の色が変わった。俺は知っている。色々と正反対でも、根っこの部分で、俺とシュンの好みは似ている。
「それって、強くなるってこと? 敵がいるの?」
「そうだ。お前が打ち込んできた空手も役に立つだろう。そうやって強くなっていけば、行ける場所も、使える武器も、技も、どんどん増える。俺が言った"探検"ってのは、そのことだよ。ただ近所を歩き回るより、ワクワクしないか?」
「する!」
キラキラ目を輝かせて頷いた十四歳の弟に、俺は片手を差し出した。
「俺が知識を貸してやるから、お前は力を貸せ。二人でこの世界の誰よりも強くなるんだ。燃えるだろ?」
「くっそ、燃える!」
顔の前で、お互いの手が景気よく打ち鳴らされた。こんなに楽しいのは、いつぶりだろうか。すっかり童心にかえった気分だ。
「じゃあ、行くか」
「どこに?」
「決まってるだろ。
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