狂文
KuKi
第1弾
アクリルの心臓に紅を流し込み手に入れたものは晴れ。知らない蛙の本当の親は捜し物が見つからずに社会の消耗品に成り下がった。思い知るのは東の牢獄。私たちのいる場所。部屋の片隅に住む蜘蛛のアクリルは輝けるかもしれない。それも分からずにカメラに滑り込んだホムンクルスは突発的な進化を遂げ、私たちに知恵と行動を思い起こさせた。本当の親はどうしても触れたくない。でも離れないでと叫んだ苦しげな少女はどうしたって苦しげなのだ。救われない彼女は西の王宮へ駆け出し、頭脳と記憶の溝へ転落した。それでもまだ理解しない。それを望んだ路傍の石は何を思うだろうか。脳内を死と共にあらんことを望んだ兎が駆け巡り、思わず涙が出る。部屋の真ん中で腐りかけの乾酪を貪り食う愚かな鼠は社会の倫理と報酬を知り、絶望するだろう。明日の天気と校内放送を気にする無粋な輩は野原の蛩に踏み潰されるのだ。そうして構築された我が世、我が友は今日も爆発的な思考力とマイナーな夢を抱いて旺盛の現代を闊歩する。その姿はさながら蝮の腹上で死する団子虫の如く、立派で怠惰であった。心臓のシステムは改名できずとも、友の名はいつまで経っても脳内から消滅しない。あぁ素晴らしきかな。我が世、我が友は腰を握りしめ今日も笑いながら闊歩する。
冷蔵庫の中の大将軍であろうと、そのようなことは出来ないだろう。
狂文 KuKi @kuki-kuki
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