　いつだったか貴方、言ったわよね。

『私、貴方みたいな子、好きだなぁ』

　それがどういう意味を持つのかは判らない。けれど、その時からだった。

　その台詞で、私は恋に堕ちた。

　馬鹿な話。そんな単純な一言で人を好きになるなんて事、今までになかったの。

　貴方への想いは会う度に増していく。

　それに比例するように、貴方との距離も近くなった。

　「好き」って言い合う仲になった。

『好きだよ』

　って私が言ったら、

『私も』

　って貴方は返す。

『愛してる』

　って私が言ったら、

『好き』

　って貴方は返す。

　いつだって貴方の返事は、私よりも「好き」の度合いの低いものだった。

　それはきっと貴方なりに、「私達は恋愛の関係にはなれないよ」って伝えたかったのかもしれない。でも私は懲りずに近付いた。

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