褒められる日を

昔は何をしても褒められた。




砂でお城を作ったとき、

「素敵なお城を作れたね」って言われた。



いつもより少しうまく字を書けたとき、

「あら、上手になったわね」って言われた。



一人で自転車に乗れたとき、

「すごいよ、成長したな」って言われた。



100点を取ったとき、

「よく頑張ったね」って言われた。



でも、いつしか、

それらは"できる"ことが当たり前になって

"できない"ことがおかしくなった。



私はもうではなくなった。




私が子供の頃、よく言っていた言葉。

「そんなの知らないよ。



だけど、いつしか、


"教えられていない"から

"知らない"っていうことが、


"知らない"から

"できない"っていうことが、


"できない"から

"どうしようもない"っていうことが、


全てと思うようになってきた。




私はもうではなくなった。




決して戻ることはできない。

あの輝かしい日々に別れを告げる。

私はもうにはなれないから。


さぁ、になろうか。

目の前の"未来"はまだ明るくはないが、

その暗闇の中には一筋の光がある。

今はその光を頼りにすればよい。

ただただ歩き続けよう。


いつの日か、

また誰かに褒められる日が来ると信じて。



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