見せるべき努力
"自分の努力を見られたくない"
そう思っていた時期があった。
できなそうで
めっちゃできるっていうのが、
何もしてなさそうなのに
ずば抜けてできるっていうのが、
不真面目そうなのに
思いのほかできるっていうのが、
カッコイイって思ってた。
だから
普通に頑張っている人に
「よくやるね。私ならできないよ。」
なんて言っていた。
今思えば、私は嫌なヤツだった。
出来るだけ本気を見せたくなくて、
人前では頑張る素振りもしないで、
一人、家の部屋で努力していた。
そして、その努力が報われたとき、
皆は「すごいね」って私を見てくれた。
何もできない私が、普通の私が、
他の人に尊敬の眼差しを向けられることに
私は酔っていた。
でも、今ならわかる。
あの頃の私はバカだった。
大バカ者だった。
きっと心の何処かで、
人が居ても頑張ることができる人を
うらやましいと思っていた。
こんな人みたいに
私も一生懸命になりたいと。
他の人の目なんて気にせず、
自分のやりたいことに夢中になりたいと。
きっと、きっと私はうらやんでいた。
今なら、
いいや今だから、
私はしっかりとわかる。
努力する姿が
どんなものにも負けないほどカッコイイということを。
頑張る姿を
ちゃんと見てくれる人がいるということを。
一生懸命な姿に
憧れ、励まされている人がいるということを。
私は知った。
この世の中には
"見せるべき姿"があるということを。
そして、その姿は
"一生懸命に努力して頑張っている姿"であるということ。
私は知った。
"見せるべき努力"というものを。
私はやっと知ることができた。
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