第49話 帰ってきました家族の元へ

やって参りましたよ、ドラゴンの里!


さぁ、殺せ!

昨日、思い残す事のないよう出し尽くした!


みんな、出迎えてくれてる。

レイラもプロムも……笑顔だ。


え、笑顔が、怖い。


「みんな、グス、出迎えありがとう! 嫁さんのユリスだ!」

ウィズが、感極まって、泣きながら、ユリスを紹介する。

オーガのユリスが大きな体を小さくしながら、おずおずとウィズの後ろから前へ、

「あの、ユリスです。ウィズを支え、みなさんに迷惑をかけないよう頑張りますので、みなさん、よろしくお願いします」

ユリスがペコリと大きく頭を下げた。


「そんな、かしこまらなくて良いよ!」

キャスカが笑顔で言った。

「そうだ! 仲間じゃん」

カイが続けて言う。

「おめでとう、ウィズ」

レイラが涙を流してる。

「仲良くしましょうね」

プロムが笑った。

おめでとう、おめでとうと、レイラ、プロム、ルファス、キャスカ、カイ、フィリー、バン、ライカ、ヘリウス、俺、ミロースみんな、みんなウィズとユリスを祝福した。

おめでとう。


感動的だった。


で、次は、俺か。


「ミロース、来てくれ」

レイラが、ミロースをつれていく。

「ヒロシ様、後で」

プロムが笑顔で言って、レイラ達について言った。


俺は、マジでチビりそうになった。


「ハゥ…………」




「はっ!」

俺は、立ったまま気絶していた。

辺りをキョロキョロ見るが誰もいない。

どれくらいたった? 5分か? 30分か? 一時間なのか?

俺は、自分の軽キャンに向かって歩きだした。


レイラ、プロム、ミロースが笑いあっている。

なんだ、うまいこといったか?

レイラもプロムも、そんな怒ってないんじゃないか?

なんだよ! 俺、考え過ぎだったのか?

俺は、三人に近づくたびに、良い方に考えていくようになった。

だって、あんなに楽しそうじゃないか。


「おーい、みんなー」

俺は、手を振った。


「あ、ちょうど、良かった。ミロースに第三婦人になる心構えや、ルールを伝え終わって、呼びに行くところだったんだよ」

レイラが、可愛く言った。

やっぱ、レイラは可愛いのう。

俺は、レイラの元に走った。


「じゃ、行きましょう。 ヒロシ」

レイラが笑顔で言った。

「へ?」

間抜な声をだした俺の手をとり、レイラが歩き出す。

「プロムは、後でね」

レイラが歩きながら言った。


チッ、しょうがねーな。

俺がいなくて寂しかったのか?

俺はポケットの中の回復薬を確認して、これからレイラとの、ただいまセック…ゲフンゲフン、イチャイチャを想像しながら歩いた。


森の中、静かな場所まできた。

レイラが抱きついてきた。

( ほら来た )

俺は思った。


ドスッ!


レイラの膝が俺の水月に入った。

息…が、息が、で…出来な…い。

「これは、プロムの分」

耳元でレイラが言った。

俺は腹を押さえて、倒れこんだ。

「カ、カ…ハ……」

声がでない。

「……さて、」

レイラの声が聞こえた。

逃げなければ!

俺は、這いながらその場から、


ガシ!


背中を踏まれた。


「どこに行くの?」

レイラが言った。

逃げるんです。


殺されるからぁ!


ガッ!


レイラは俺を蹴って、仰向けにさせると、胸ぐらを掴んで持ち上げた。

俺を、片手でだ。

もう一方の手を見ると、拳を握りしめてレイラの顔の横に。

うん、殴られるな。

俺は、覚悟を決めた! さぁやれ!


「これが、私の分だ」


ヒュッ!


あ、あれ? レイラさんの拳が消え


「ゥグ!」


俺は、


ガッ!


殴られ、


ヒュン!


吹っ飛んで、


ドゴーーン!!


大きな木にぶつかった。


体がバラバラになった感覚だ。

ピクリとも動けない。

目が、あかない。




「反省した?」

しばらくして、レイラの声が聞こえた。


しました反省。

もう、十二分に反省しております。

しかし、声がでないし、真っ暗だ。


ビチャビチャビチャ…


液体をかけられる。

口に入った。

体が、体が動きそうだ。

回復薬?

目が開いた。


体を起こして、声のした方を見ると、側に裸のレイラが立っていた。


「おかえりなさい……ヒロシ!」

レイラが、抱きついてきた。


俺は、帰ってきたと、この時、凄く感じた。


俺たちは、愛し合った。

ごめん、次、嫁さん出来る時は、ちゃんと相談するからねと思った。



激しかった。

もう出ない。

立てないや。


レイラが、ふらふらしながら、服を着て、帰っていった。

俺は、余韻を楽しみながら、ここちよい疲れを感じていた。


「ヒロシ様」


ん?プロムの声?

俺は、体を起こす。


「ガボラ!」

口に瓶を突っ込まれた。

液体が入ってくる。

ぐるじい! お、溺れる!

液体がなくなった。

瓶が口から出される。

目の前にプロムの顔が?


「寂しかった……ヒロシ様、ほら、ヒロシ様の大好きな、パイパイですよ」

言ったプロムは、裸だった。

相変わらず、嫁ナンバーワンのエロい体!

しかし、もう立たないよ、さっきあんなにって、ぅお! 立ってる!

俺は、ビンビンだった。

「流石、ヒロシ様の回復薬ですね、こんなに元気になって」

顔を紅潮させたプロムが俺の息子さんを優しく包んでくれた。

何に? そりゃ、おっぱ……ゲフンゲフン、大いなる愛でだよ!

愛って素晴らしい、いいね!

俺は、プロムを押し倒した。

愛が溢れて、我慢できん!



今日、合計で何発したんだ?

回復薬ドーピングを繰り返して、出しまくった俺は、ガリガリ、ゲッソリしている。

フラフラですよ。


しかし、何だかんだで、俺は、家族の元に帰ってきた。

家族を守る為、また、バリバリ頑張ろう。

明日から……

俺は、森の中で眠りについた。


「へーっくし!」


森の中に、俺のくしゃみが響いた。


朝、森の中で俺は、目覚めた。

こんなとこで寝て、体が冷えた風邪ひくよ。

昨日頑張りすぎて、腰が痛いが、頑張り屋さんとして有名な俺は、頑張ってみんなのいる場所に歩いていく。


朝御飯の準備中だった。

レイラがいた。


「レイラ、おはようコーヒーもらえる?」


「ヒロシ、昨日帰らなかったの?」

レイラが電気ポットから、お湯をカップに注ぎながら言った。


「疲れて、少し寝ようと思ったら、朝まで寝てた」

俺は、席についてコーヒーを待つ。

「はい、熱いから、気をつけてね」

レイラが、俺の前にコーヒーを置いてくれた。


温かいコーヒーが、染みる。

うまいなぁ。

レイラが、初めて電気ポットを見たとき驚いていたな。

電気って、素晴らしい!

俺は、電気ポットの先につないだ、アンキャーの大容量バッテリーを、うっとりして見つめた。

もちろんこの、素晴らしいバッテリーを軽キャンの機能を使って、大量にコピー生産済みだ。

充電の為のソーラーパネルも同様に大量にある。


で、何でこんな事を思い出したかと言うと、向こうで、キャスカとプロムが、ユリスとミロースに電化製品の使い方を指導してるのが見えたからだ。

キャンプで電化製品の使用は、キャンプ好きな人からしたら、邪道だと言われるんだろうか?

でも、趣味としてじゃなくて、生活でキャンプしてるんだから、少しでも便利になりたいじゃんかと、思った。

異世界にいたら、別に誰にも思われないだろうけど。


などと、どうでも良い事を考えながら、コーヒーを飲み終えて体も暖まった。

朝御飯は、なんだろね?

席をたって、レイラの元へ行くと、サラダ、トースト、ゆで卵、喫茶店のモーニングみたいなのが出来ていた。

俺も運ぶのを手伝って、レイラと仲良く一緒に食べた。


さて、今日は、何をして遊ぼうか?

俺とレイラは、席を立ち、軽キャンクラブの拠点を散歩する。



「何してんだ?」


バンとライカが一生懸命、地面を耕している。

俺は、近づいて聞くと、畑を作ってる、だって。

お前ら、ここに永住するつもりか……

邪魔したら悪い。

俺とレイラは散歩を続行した。


キャンピングトレーラーがゆっさゆっさ揺れている。

なんじゃろね?

俺は、キャンピングトレーラーのドアを開ける。

「……すまん、続けてくれ」

俺は、ドアを閉じた。

カイとフィリーが、真っ最中だった。


さて、妻帯者が増え、プライバシーの点からも、キャンピングトレーラーが少ないのが悪いのであって、俺は何一つ悪くない!

そう言う事なので、久々に軽キャン機能でも使用しますか。

レイラを伴い、俺は、軽キャンに向かって歩き出す。


レイラは、助手席、俺は、運転席に座った。


「では、レイラ、まずは、キャンピングトレーラーをだそう」


「それなら、私、プロム、ミロースにも一台ずつちょうだい」


「はいよ!」

俺は、次々キャンピングトレーラーを出していく。

俺の魔力が減っていくが、今の俺からしたら、微々たるものだ。


「後は、面白そうな機能あるか見てみようぜ」

俺は、カーナビのタッチパネルをいじる。

レイラも画面をじっと見ている。


「なんじゃこりゃ?」

カーナビのの画面に、


・飛行機能付与

・潜水能力付与

・変形機能付与


と、出てる。


「ヒロシこれって、どう言う意味?」


「面白そうだ! 全選択、決定!」


軽キャンが光輝く、だいぶ魔力がもってかれる。

体が、だるい。


光が終息していく。


「ヒロシ! 大丈夫?」

ぐったりしている俺にレイラが声をかけてくれている。


「これ! 飲んで」

レイラが俺の口をこじ開けて回復薬を流し込む。


溺れかけたが、大分楽になった。


「ありがとう、レイラ。 でも、今度からもう少し優しく飲ませてね」

俺は、そう言うと、機能の変形を選択した


「変形ヲ開始シマス」


音声が流れた。

俺とレイラは手をつないでドキドキしながら、どうなるのか待った。



なにも起こら


ドン!!


大きな音がして、真っ暗になった。


「怖っ!」

「ヒロシ! 何? どうなったの?」


俺は、慌てて軽キャンのライトをつけた。

目の前には、壁?


「見てくるから、レイラは、中にいて」

俺は、そう言って軽キャンから降りた。

壁にスイッチがある。


カチッ

スイッチを入れると明るくなった。


狭い空間。


辺りを見渡すと階段があり、その先にドアが見える。

俺は、軽キャンのライトを切って、レイラに出るように言った。


ゆっくりと階段を上がる。


レイラが俺の側にいるのを確認してから、ドアを開けた。

そこは、建物の中だった。


軽キャンがある地下室に続くドアは、二階にあがる階段の側面についていた。


吹き抜けになっているところに大きなドアがある。

俺たちは、そのドアを開けると、外に出れた。

振り替えると、


「家! デカっ!」

俺は、見上げて言った。

「いや、ヒロシ! なに? これぇー」

レイラが、驚いているようだ。

俺もだが!


「これが、機能で出来た、家だ!」

俺は、キリッとして言った。

さっぱり、ワケわかんないけど、言ってみた。


「ちょ、ちょ、ちょっとまってて!」

レイラが走って行く。


俺は、レイラがいなくなったのを確認して、改めて家を見て呆然とした。



「ヒロシ!つれてきたよ!」

レイラが言った。

みると、 レイラの後ろにプロムとミロースがいた。

レイラが連れてきた二人に、

「ヒロシが私達のために、家を建ててくれた!」

へ? ああ、俺の力だ! 家が出来ると、わかってましたよ的に、

「ああ、俺たちの愛の巣だ」

と、爽やかに言ってのけた。


「家の中見てこようぜ!」

俺達は、元気一杯で屋敷の中を散策した。


しかし、でかい家だ。

なんじゃこりゃ?

掃除だけでも大変だぞ!


って、事で軽キャンクラブ全員がここに引っ越す事にした。

その前に、実験だ。


「レイラ、変形解除した場合の実験をしておくぞ」

俺は、言って外から持ってきた石ころを適当に置いた。

みんなに外に出てもらって、俺は、軽キャンに戻る。


変形解除!


ドン!!


軽キャンに乗る俺の目の前に森が広がっていた。

俺は、再度、変形させて、家を出現させ軽キャンを降りた。



「まずは、実験成功」

俺たちの目の前に、変形解除前に置いた石がそのままの位置にある。

つまり、中に荷物を置いたままで変形解除しても、その状態が保存されてるって事だ。

「それじゃ、次の実験に移るが、どうっすっかなぁ」

俺は、悩んだ。




「スゲーな! 家じゃん!」

ウィズが家の二階で辺りをキョロキョロ見てる。

俺がレイラ達に頷くと、一階にいた三人が静かに出ていった。

「ウィズ、これでも食べててね、すぐ、戻るから」

俺は、バナナを渡して、階段を降りる。

「ヒロシー! バナナ旨いぞー」

ウィズの声が聞こえて、少々の後ろめたさを感じつつ、地下室のドアを開ける。


俺は、軽キャンのエンジンをかけて、変形解除をポチッと押した。


ドン!!


変形が解除されたのを確認した俺は、軽キャンを急いで降りた。


バナナを手に、ウィズが呆然と立ってた。


「実験成功」

俺は、呟いた。

この実験で二つの事が判明した。

一つは、家に人がいる状態で変形解除しても無事。

一つは、二階部分にいても変形解除で空中に放置、落下は、されない。

俺は、満足した顔で、ウィズに向かって歩いた。



「ヒロシ、い、家が! 俺は、何もしてないからな!」

ウィズがなぜか焦って俺に言った。

「ウィズ、ありがとう」

ウィズは、???と、なっている。

実験の事は、黙っていようと思った。

協力してくれたお礼に、バナナを沢山あげたら、喜んでくれた。


俺は、嫁さん達に、全員を集めるようお願いした。


さて、キャンピングトレーラーが何台も放置される事になった訳だが。

ルファスのキャンピングカーに一台くっつけるとして、あとは……


几帳面な俺は、乱雑に配置してあったキャンピングトレーラーを一台、一台、軽キャンにつけては並べ、つけては並べしていき、綺麗に整列させ駐車させた。


みんなは、とっくに集合していた。


「悪い、すぐやるから!」

俺は、窓から頭を出してみんなに叫んだ。


変形オーーン!


ドン!!


家が出現する。俺は、軽キャンを降り、急いで地下室から出た。

玄関前の吹き抜けにみんな集合している。


「俺たちの家だ! 部屋割り、はじめっかー!」


みんなの顔が、笑顔になった。

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