第42話 チャングム王国 攻防戦?

王宮に挨拶に行く前に作戦会議でもいっちょやりますか! と、言う事で、みんなで輪になって座った。

ミロースと、ヘリウスは早く終われと思いながら、向こうでビールを飲んでる。


「で、チンコ王子、ギナの件だが」

「チングだ」

俺の言葉に被せるように王子が言った。

ちょっと睨まれたし…


「ギナは、ある日、セガル王国の魔導科学者を連れて我が国にやって来ました……」

チングが、ギナの来た経緯や、王の信頼が厚い事、重臣達の様子が変わった事とか話してくれた。


「でも、そんな怪しい奴なのに、なんで、みんな信用してるの? チンコ王子」

キャスカが、チング王子に聞いた。

「わからないんだ……ギナに否定的な人物も奴に会うと、人が変わったように…チンコではない、チングだ」

チング王子が、キャスカの問いに答えた。

「キャ、キャスカ、もう一度、チンコ王子と言ってご覧」

ルファスが、ハァハァ言ってキャスカに迫っている。

俺達は、いつもの事なので、ちゃんと無視するが、チング王子が、驚いている。

「ライカ、チンコ王子と言ってご覧」

バンまで!

ライカは、真っ赤になって、

「チ、チンコおうじ」

バンの耳元でささやく。

「ウヒョウー!」

バンが、走って行った。

何やってんだ!


……でも、ちょっと、羨ましい。


「ところで、チャングム王国の名物料理は、何がある?」

ウィズが真剣な顔で、チング王子に聞いたが、俺が答えなくていいと言った。

「みなさん、チング王子をバカにしないでいただきたい!」

前川が言った。

そして、チング王子に向き合って、

「王子の味方は、私だけです。 ですので、その、お礼の件、どうか、どうか、この事も考慮していただきたい!」

なんか、必死に言ってたが、チング王子が前川を見る目が完全に、うさんくさい者を見るめになってる。

てか、作戦会議は? もう、何これ?


まったく、しょうがない奴等だぜ。


こうなったら、稀代の策士で、最高の頭脳の持ち主と言われるこの俺、野上博志様が、いっちょ作戦の一つでも、考えてやるか!


「会議、終わり! 休憩の後、出発する」


俺は、そう言って会議を終了させて、レイラと、プロムを連れて休憩に入った。



森の木陰ーー

俺は寝ころんだ状態で、二人に抱きつかれている。

「レイラ、もう一度言ってくれ」

俺は、ニヤニヤしながら言った。

「チ・ン・コ・おうじ」

レイラが、俺の耳元で囁いた。

ウヒョヒョ~

耳にかかる吐息といい、言い方といい、最高じゃ~

「つ、つ、次、プロムも」

俺は、プロムの超乳を揉みながら言った。

「あっ、ち、ちんこ~お、う、じ」

プロムが、良い感じで、ウヒョー!

もう、どうでも良くなってきたぁ!

俺は、プロムの超乳に顔を埋める!

レイラが、俺の息子さんに手をのばす……

こんなん、我慢できっか!


森の中で、俺達は、燃えた。




夕方に、なってた。

激しかったからな~俺達ちょっと寝てた。


「レイラ、プロム、起きろ、もう夕方だぞ」

俺は、二人を揺すって起こす。


フラフラと、みんなの所に向かった。


バンとライカが歩いてくるのが、見えた。

向こうからは、ルファスとキャスカが歩いてくる。

って、カイとフィリー、お前らもか。


「なんだ、お前らも今来たとこ? 遅刻かと思って焦ったよ」

森から歩いてきた奴等に言った。


「いやぁ~燃えましたわー!」

バンが頭を掻きながら言った。

ライカは真っ赤になって、バンの後ろで小さくなってる。

いやぁ~ちんこ王子のお陰で、淫語プレ…ゲフンゲフン、で、みんな楽しめたみたいだね。

俺達は、ニッコリした。


てか、俺達以外は?

何やってんだよ!

サボってどこ行った? と、イラついていたら、向こうにいた。

やばいって思った俺達が走る。


「ごっめーん!」

走って行った俺は、ウィズ、ミロース、ヘリウス、前川、チング、ギナに謝った。


ギナ!


なんでいる!


正座してる?


「おう、ヒロシさん、ちょうど良かった。 ただいまです」

ウィズが笑顔で言った。


「は?」


俺は理解が出来ない。


「お前ら、遅いから、ちゃちゃっと王宮にいって、こいつ拉致ってきたぞ! こいつでいいんだよな?」

ヘリウスが言った。

「間違いない、こいつがギナです!」

ギナに剣を突き付けながらチング王子が言った。

「この、前川の活躍を、みなさんに……」

前川が、何か言いかけたけど、みんな前川を無視する事にした。

どうせ、たいしたことは言ってないだろう。


後ろ手に縛られてギナが正座している。

体もロープでグルグル巻きにされてるね。

口には、猿ぐつわ。

後、目隠しされている。


ごめんなさい。

活躍できませんで……俺は、いや、一緒にいけなかった、みんなが申し訳ない気持ちになった。


それも、これも、全部、ぜーんぶ、アイツのせいだ!

俺達は、ギナに責任転嫁することで、罪悪感が和らいだ。


俺は、みんなに指示を素早く出す。


「そんじゃ、ま、やりますかー!」

俺の宣言に反応した、前川がギナの猿ぐつわをと、目隠しを取った。

そして、その場を走って離れる。

走り去る前に前川は、後頭部を蹴っていった。

あいつ、余計な事を! と、俺は思った。



軽キャン、キャンピングトレーラー、キャンピングカーが、ギナを中心に円を描くように配置されている。

ギナの前には、俺がいる。


そう、この円のなかに俺とギナの二人だけがいる。


「おっす、ギ~ナ~、はじめましてぇ」


俺は、腕を組んで、笑顔で言った。

ギナは、憎悪の目で俺を見た。

そりゃそうだろ。


「ギナ、お前さぁ、無茶苦茶やってたんだろ? じゃぁ、やられても問題ないよね~」

俺は、優しいと読者の間で言われているように、優しい男なので、糞虫以下の目の前の生物に、ちゃんと、無茶苦茶やりますよ、と、教えてあげた。

こう言った気配りが出来るとこが、日本人的なところなんだろうなぁと思った。


「貴様~! ……ぶっ殺してや 」


ガッ!


ギナが、何か言ったが、挨拶代わりに顔を蹴った。


「みんなー、はっじまるよー!」


俺は、開会宣言を高らかに言って、その場から走り去る!




「……なんなんだよ」

その場に残された、ギナが呟く。


ドスッ!

ギナの頭に矢が突き刺さる。


「グッ!」

ギナの声が漏れた。

死なないよな? 魔族なんだろ?

俺は、軽キャンの影からギナを見ながら思った。


ほらね。

俺は、笑みを浮かべる。

想定の範囲内。


ギナは、怒りの表情を浮かべ、身体中から触手を出した。


ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!


空中に浮かんでいた触手一つ一つに矢が当たり針ネズミ状になって地に落ちる。

ついでに体にも矢が無数に当たっていた。


アーッと、忘れてた!

俺は、プロムに目配せした。

プロムが頷き、走り出す。

矢の雨がやんだ。


スパッ!


プロムのナイフがギナの目を切り裂いた。

はい、その眼ヤバイ奴なんでしょ? 奥の手封じましたよ。

と、俺はニヤついた。

次は、なんだ? アニメでありがちな変身か? 巨大化か?


ニヤニヤ


ギナが大きくのけぞった。


あー、なんかやるんだ。

俺は、みんなに指示を出す。



「ハーハハハハ! 貴様ら、魔界の幹部である俺を怒らせたな! 我の力を思い知らせてやる!」

ギナが叫ぶ!

空が曇り、雷鳴が轟く!


ビチ!

ギナを拘束していたロープが千切れる音がした。


ビチ! ビチ! ビチ! ビチビチビチビチビチー!

筋肉が盛り上がり、ロープを完全に切り裂いた。

盛り上がり続ける筋肉。

姿が変わっていく。

それに伴いサイズがデカくなっていく!

人の顔が、ヤギの顔に!

背中には、禍々しいコウモリのような翼が!

人間の姿であった事がわからないぐらいに変化していく。

魔力もどんどん上がっているのだろう。

空間が歪んでみえるもの。


もう少しで、変化が成るのか?



「ま、どうでもいいけど」

俺は、軽キャンの中から言った。


ゴゴゴッゴゴゴオゴゴゴゴゴゴゴ……

ゆっくりと先程から落下を続けていた隕石が、ギナのすぐ上まできてる。

そう、軽キャンクラブの最終兵器こと、キャスカの魔法攻撃だ。



ゴゴオゴゴゴゴゴゴゴ………プチッ



ドゴォォォォーーン!!!!


大爆発が起こる。

連結していた、軽キャン、キャンピングトレーラー、キャンピングカーの輪の中で激しく火柱が上がる!




そして、時間がたつと、火柱のあった場所は、ぽっかりとクレーターが出来ていた。

輪の外は、以前と代わりない状態だった。


かつて、ギナと言われた魔族の幹部は、跡形もなく消滅していた。


てか、チンコいないんじゃない?

戦いが終わって冷静になって俺は気づいた。

ウロウロ探していると、空からミロースが降りてきた。



「チンカスと前川なら、戦いの最中に城に置いてきたぞ。 なんか、王を説得するって言ったから、送ったぞ」

ミロースに聞いたら、そう言われた。

アイツらも戦いに行ったんだと思った。


「腹いせも終わったし、かえっかー」

俺の言葉に、みんなが笑顔になった。


ミロース、ヘリウスに運んでもらって、帰る。

前川?

あー、アイツなら、この国の復興の力になれるよ。

ムカつく嫌な奴だが、能力があるから。

鼻くそのことじゃないよ、本人の元からの能力だ。

やっぱ、スゲー奴だよ。

日本で金持ちになったの、まぐれでもなんでもない、アイツの能力だ。

俺は、空の上からチャングム王国を見ながら、そう思った。

さらば、チャングム王国。


俺は、ブレスレットを顔に近づけた。


ゼノス王国へ魔導通信にて、チャングム王国の今後の様子観察を依頼し、商売相手足ると思えば、国交を開くよう伝えるためにだ。

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