第19話 案件と休養と愛人と
晩餐会の翌日に俺はルファス達をつれて軍事部門開発部を訪れた。
開発部は、城の軽キャンピングカー格納基地の隣に設置してある。
重要施設の為、入口には24時間体制で守衛が設置されていた。
「では、ノガミ様達の装備品のご要望は承りましたので、製造部と連携して早急にご用意いたします」
開発主任に、装備品の要望と全員の採寸を済ませた。
こちらの要望は、
ルファス
武器 ロングソード(軽さと攻撃力と耐久力が高いもの)
防具 フルプレート(軽さと防御力と耐久力の高いもの)
レイラ
武器 弓(長距離狙撃用と短距離連写型)
防具 露出が高めで防御力の高いもの
キャスカ
武器 マジックロッド(魔法少女仕様)
防具 マジックローブ(魔法少女仕様)
野上博志
武器 棒があるのでいらない
防具 カッコいいコート (防御力が高いもの)
かなりアバウトだが、めんどくさいし、開発チームを信じて発注した。
後、冒険者のチームとして制服を発注しといた。
要望は、日本の海軍将校みたいなカッコいい感じでと言ったが、流石に? と開発陣がなっていたので、カッコいい制服がどうしても欲しい俺は、頑張って説明した。
さて、案件の武器防具は待つだけ。
俺たちの技術向上だが、レイラに頼んでいた軍事教官にルファスとキャスカを精々しごいてもらって、強くなってもらいましょうかね。
俺は、軽キャンの強化と使える機能のチェックでも、明日から頑張る。
今日?今日は疲れたからいいよ。
「レイラ、ルファスとキャスカの訓練頼んだぞ」
俺はキリッとしてお願いした。
「俺は、ゼノス王と打ち合わせがあるので本日は失礼する」
レイラの冷たい目をみるのが辛いので俺はそれだけ言って、足早にその場を華麗に立ち去るのだった。
残されたレイラは、はぁ~と、ため息をついてからルファスとキャスカを訓練場につれれて行く。
俺は部屋に戻りオシャレ着に着替えてルンルンになってゼノスの元へ行く。
…忙しそうだね。
俺はゼノスの部屋に入ろうとしたら、ゼノスとマルスが難しい顔で会話していたので、今はその時ではないと、邪魔しないようにその場を離れた。
特にやる事がなくなった。
レイラ達の様子でも見てくるか?
ダメだ!
下手に近づいて訓練に参加させられたら一大事。
なぜなら、めんどくさいし疲れるからだ!
「お、あの娘可愛いな」
「あの娘は、お尻が良いね!」
「あの娘は、…」
俺は城の中をウロウロしながらメイド達の働きぶりを観察し目の保養に勤めていた。
戦士には休息の時も必要なのだ。
「!」
俺の目がキラリと光る。
見たことの無いメイドがいる!
前に城にいたときには、何人かメドイに手をだして、レイラに半殺しの目に合いながら可愛いメイドはチェックしていたハズが見落としがあったのか? 新顔か?
これは、…調査だ!
ハンターの目になった俺は、早速そのメイドの側に向かって歩き出す。
「カローラよりデカいな」
歩きながら、乳と尻のチェック
「腰のクビレ…良しレイラ並み」
出るところは出て引っ込むとこは引っ込んでスタイルは抜群だ。
「顔、レイラには落ちるが綺麗系」
顔が緩みながら歩く。
「背は、高いな。モデルさんみたい」
向こうから変な男が近づいてくる。
ニヤニヤして何かブツブツ言ってる。
去年から、この城で雇われているメイドのプロムは、気味が悪い男が自分に近づいてくるので掃除の手を止めてその場を離れる。
男の足音が早くなる。
着いてきてる!
プロムは振り返らず早足になる。
足音も早くなる。
他のメイドとすれ違うが誰も何も言わない?
プロムは早足から走り出す。
足音が早くなり大きくなる。
近づいてる!
プロムは全力で走る。
足には自信がある。
地元で一番早かったし、…って、足音がだいぶ近い。
なんで?
プロムの先にメイド長が見えた。
「メイド長!助けてください」
プロムがそう叫ぶのを見たメイド長は、様子を確認すると、クルリと来た道を引き返した。
なんで?訳が解らないと思いながらプロムは全力で走る。
ダメだぁ。
なんだ、エライ足早いな!
俺は必死に走った。
それはもう、死ぬ気で走った。
そして、追い付いた。
綺麗なメイドが、はぁはぁ言って座り込んでいる。
手間かけさせやがって、俺も、息があがっている。
膝ががくがくだ。
「ハァ、ハァ、おっと手がすべったぁ~」
俺は、膝をプルプルさせながら綺麗なメイドの尻を触ろうと手を伸ばす。
触った。
メイドは特に抵抗しない、
誘っているのか?
俺は、なおも極めて自然に偶然を装ってセクハラを続ける。
なんて、デカいんだ。
カローラを越えるのその巨乳いや、超乳を揉みしだき堪能する。
モミモミモミモミモミモミモミモミ…
偶然だから、あくまで偶然だから!
俺はリズミカルに乳を揉む。
そして、後ろからぶん殴られ、吹っ飛び二、三回 床をバウンドして止まった。
誰だ!また、不審者が城に、俺は不審者を見た
「レ、レ、レイラ~なんで?訓練場じゃ?」
俺は血だらけなのに真っ青になって言った。
「打ち合わせ、楽しそうね」
笑顔のレイラが怖い。俺は這いつくばりながらその場から逃げようとする。
「メイド長」
レイラの命令でメイド長が俺の足をつかんでレイラの方に引っ張る。
「やめて、やめて、ホントにやめてぇ~」
俺は必死に抵抗するがぐいぐい引っ張るメイド長。
お前が、レイラを呼んだな。俺は、恨めしくメイド長を見た。
メイド長は、無表情で俺を引っ張っていた。
俺はレイラの前に連れてこられた。
「ヒロシ。後でじっくり話をしましょうね」
レイラは俺を踏みつけ言った。
嫌だ。絶対嫌だ。話って一方的に拳で語り合うんだろ?
暴力反対!
「さて、貴女。何者?」
レイラは俺が乳を揉んだメイドに向かって言った。
「レイラ様、その娘はプロム。昨年よりメイドを勤めております」
メイド長がレイラに言った。
「この娘に聞いている」
メイド長はレイラの言葉に頭を下げ一歩下がった。
「プロム、お前が何者かは自室で聞く。一緒に、ついてこい」
レイラは言うと振り替えって歩き出す。プロムは立ち上がり、レイラの後を歩きだした。
俺は助かったと思った。
レイラが立ち止まって、
「ヒロシは後でな」
と言った。
俺は、ですよねと思った。
レイラとプロムは歩いていく。
プロムは足を踏み入れる事を許されなかった幹部専用廊下。
前を歩くレイラの後ろ姿を眺めながら歩く。
レイラが部屋の一つに入って行きプロムも続いて部屋に入った。
部屋の中は入口付近にテーブルにソファーがあり、奥には机と椅子が置かれてある。
レイラは、ソファーに座り、プロムにも座るように言った。
「率直に言うが、お前は、ヴァルファ帝国の間者だろう?」
レイラの言葉にプロムは、姿勢をただしたまま、
「なぜ、そのような?言葉の意味が、わかりかねますが?」
と言って、レイラの目を見る。
「そうか?」
レイラとプロムは互いの目を見ている。
「マルスが言うには、昨日の暴漢はヴァルファ帝国の間者だったらしい」
プロムは動揺する様子もなくレイラの話を聞く。
「私達がこの国に帰って来た時、お前は、ルファス達を見た時に驚いていただろう? どうなんだ? 私達が気づいてなかったとでも?」
プロムは立ち上がり、
「あれは、ルファス様が素敵だったので、驚いただけです!
先程からの言葉は、私に対する侮辱です」
プロムはレイラを睨む。
「プロム。私を舐めるな」
レイラのビンタがプロムの頬をかすった。寸前のところでプロムが避けた。
「ほぅら、只のメイドが私の攻撃を避けれるのかね?」
レイラが笑いながら言った。
「お前、違っていたら、どうするつもりだったんだ?」
プロムがファイティングポーズをとりながら言った。
「違っていたら、別の者を面接するだけよ、私は、マルスと違って利口じゃないから、私の知らないメイドを一人づつ適当な理由で尋問するつもりだった。
私は運がいい。一人目でスパイを見つけるなんてね。
バカね貴女。 私の適当な話に尻尾をだすなんて。
ほら、かかって来なさい」
プロムは、お前が攻撃してきたからだろ?と思ったが口に出さず、殺気を帯びた目でレイラを見ながら隠し持っていたナイフを出す。
向かい合うプロムとレイラ。
レイラは余裕の顔をして、
「早くこい」
と言って手をプロムに向けて手首を回して指を、くいくい曲げと手招きした。
俺は、重い足取りで、レイラの部屋に向かう。
逃げる事はしない、男らしい俺。
謝ろう。
俺にも少し、わずかにちょっとだけ悪かった部分もあったのかもしれないし。
はぁ、辛い。
「レイラ、入るぞ」
俺がドアをあけると、メイドがボコボコにされてる。
「おい、おい、おい、おい! やめろ!」
俺は慌てて止めに入る。
「ヒロシ、こいつはスパイだ! そこにナイフが落ちているだろう?」
レイラがメイドの胸ぐらをつかんで言った。
その側にナイフが落ちていた。
昨日の暴漢と同じデザインのナイフだ。
そんな、まさか…
「レイラ、やめろ」
俺は真剣な顔でレイラに言った。
そんな俺の真剣な眼差しにレイラは、メイドから手を離し、メイドは、その場に座り込む。
俺は、殴られていたメイドに近づき、その肩に手をおいた。
「お前は十分に制裁を受けた。
スパイなんて国に使われるだけ使われるだけだぞ。 それより、自由に楽しく暮らしたくないか?」
メイドは下を向いたまま俺の言葉を聞いた。
「お前は今日ここで、死んだ。 生まれ変わって俺に仕えろ! お前も、レイラ達と同じ様に俺が守ってやる!冒険者になって自由に楽しく暮らそうぜ!スパイにした国なんて捨てちまえ」
そう言ってメイドを抱き締めた。
レイラの暴力がよほど怖かったのか小刻みに震えていた。
うん。その気持ち解るぞ。
「お前、名前は?」
俺の問いに、か細い声で、
「プロム…です。 …ご主人様」
と言った。
「正気か?ヒロシ」
レイラがプロムを抱いた俺に言った。
「大丈夫。 こいつレイラに歯向かうなんて根性あるじゃん。 …まっ、逆らえばレイラが制裁しろ」
俺はそう言って、プロムを抱えあげようとしたが重かったので、その場に寝かせ、ポケットから回復薬(小)を取りだしてプロムに飲ませた。
プロムは安心して気を失った。
「敵を許す度量がなけりゃな」
俺は、レイラに向かって、にっこり笑った。
レイラは不満そうだが、俺の言葉に反論はなかった。
「それに、こんな超乳女、殺したらもったいないじゃん」
俺は満面の笑みで言ったら、レイラの鉄拳が顔にめり込み吹っ飛んだ俺は壁に叩きつけられた。
薄れる意識の中、俺は思った。
…愛人ゲットだぜ。
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