第8話 最高幹部会議

ゴルソン王国。

首都ゴルソンにある俺の家、通称ゴルソン城。

「これにて、本日の最高幹部会、会議を終える」

豪華な椅子に座った俺が会議の終わりを告げた。

最高幹部会とはこの国を運営する最高意思決定機関の事である。

出席者は、


最高幹部会 議長

国家最高指導者

国家戦略科学技術部長官 野上博志

最高幹部 副議長

国家国防治安部長官 レイラ

最高幹部

国家情報諜報部長官 ゼノス

最高幹部

国家農林水産保健部長官 カローラ

最高幹部

小学生 マルス


の、4名で構成されるのだ。

「あ~、マルス、国王ちょっと呼んできて」

会議が終わり、学校の友達とのバドミントンを楽しみに部屋を出ようとするマルスを呼び止めて言った。

「え~、おじちゃん僕、この後、友達と約束してるんだよ」

マルスは地団駄を踏んでる。可愛いな。

「私、行って来るわよ」

レイラがそう言ってくれたのでお願いした。

「マルスー!、夕飯までには帰りなさいよー!」

カローラがマルスの後ろ姿に声をかけてた。

「ヒロシ、今日、久々にどうだ?」

ゼノスがコップを持ってクイクイやる仕草をして飲みに誘ってきた。

ゼノスと随分飲んで無いしな~、

「わかった、行くとき声かけてくれや」

そう言って、俺は会議室を出た。


コッコッコッコッ・・・

大理石の廊下を歩くレイラの足音が響いている。

メイド達はその音を聞いただけで緩んでいた気を引き閉める。

レイラの姿を確認するとメイド達は次々に深くお辞儀をするのであった。

足音が止まる。

レイラがメイドを見る事もなく、

「アナタ、ゴルソンを呼んできなさい。主人が呼んでるの。早くね」

そう言って去っていく。

「はい、レイラ様」

声をかけられたメイドはさらに深くお辞儀をしてレイラの後ろ姿に言った。

最高幹部であり、この城の主ヒロシの伴侶であるレイラから声をかけられたメイドは嬉しさのあまり倒れそうになるが自分が受けた指令を果たすため足早に行動に移るのであった。


面会室

テレビドラマとかでみる刑務所にいる犯人と弁護士が面会するシーンとかで見る部屋見たいな作りになっている。勿論アクリル板とかないので厚いガラスとかで代用してある。

会話は設置してある配管に向かってする。

ゴルソンと会うのは決まってここだ。

以前、ゴルソンがキレて俺に襲いかかった時、レイラがゴルソンを半殺しの目に合わせた。

それからゴルソンとの面会はここでするようにレイラからキツく言われている。

この部屋でウロウロしながら待っているとメイドがゴルソンを引きずって連れてきた。

「久しぶり!元気か?」

俺は、ゴルソンの緊張をほぐそうと明るく接する。

「これが元気に見えるか?」

引きずられてきたゴルソンはボロボロになってた。

ゴンっ

「口の聞き方に気を付けろ」

可愛い美少女メイドがゴルソンの頭を殴って言った。

ダメだよ~大切なゴルソンなんだから、

「前にも話したけど、ゴルソン君には国王として前に出てもらって、裏で何事も俺達が決めて国家運営してあげる。その代わり何か問題が出たら、君が国王として全責任を被る。そんな大事な役職につけさせてあげたよね?」

丁寧に説明してあげる優しい俺、

「こんなの傀儡ではないか!ないですか」

後ろに控えるメイドの鉄拳制裁を恐れて言い直したゴルソン。

「大丈夫だって~そんなにヘマしないから~」

俺は、安心させてあげた。

「それよりさぁ、また謀反起こす気?」

俺が言うとゴルソンは目を背けた。

「まだ、協力者がいたんだ~?」

ゴルソン派は強制労働により国の発展に協力いただいている。今回の協力者のみなさんにも現在強制労働に励んで頂いております。

「簒奪者め!殺してやる!」

またキレた。

「ゴルソン、やっぱお前ダメだわ。奴隷紋の刑に処す」

俺が言うと、ゴルソンは、なんか喚いていたけどメイドがぶん殴って、ぼこぼこにした後、引きずって部屋を出ていった。


一人残された部屋で、奴隷紋の事を考えた……


さっきの会議で聞いたら奴隷の有るって言うんだもん、異世界モノでよく出てる主人に逆らえない自殺も出来ないってアレ。

何で教えてくれなかったの?って聞いたら、聞かれなかったからだってさ。何でも聞かないとダメだね。

後、やっぱ、乗っ取ったみたいに思われたらなんか嫌だし悪者みたいだから、ゼノスにゴルソン何か悪事働いてないか調べさせていた。

で、その報告を、さっきの会議で受けたんだけど、賄賂もらってたって!

……って、俺も渡したし! だめじゃん、もっと無いのか?!

でだ、他に何かないか聞いたら、元々中央の貴族だったゴルソンは何人も村娘をさらって、いたぶって殺していたらしい!

なんたる、残虐、非道、うん! 悪人だよ!

それがバレて、本来なら処刑されるところだったんだけど、魔王の親類だってことで辺境のこの領地に飛ばされたらしい。

うん。

まったくもって、悪人だ。


なんだかんだと、屁理屈をこねて少し気が楽になったので、今回奴隷に躊躇無くさせていただきました。

ま、そんな事より今日は久々にゼノスと飲みに行くし、その後ストレス発散でもしてくるかな。

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