第45話秋の鳥行記 偶然
真冬本番で申し訳ない、続きを。
春の事を悔しく思い出しながら、秋のその日、天気は予報通り徐々に良くなっていきました。FZで撮るにはちょっと補正をマイナスにする必要があり、主人からそう言われていると、干潟の手前の田んぼでヒュッと何かが私たちの目線を横切りました
「あれ? なんか飛んできた、早いね、キジバトにしては・・・」
「チョウゲンボウや!! 」主人が叫びました。
此処には彼らが毎年やって来ている、という情報はありましたが、見たことはなかったのです。早速主人はお宅のアンテナに止まったチョウゲンボウを撮り始めました。
「遠いな・・・」
確かにちょっとカメラで撮っても証拠写真にしかならない距離でしたが、とにかく鳥に会うことが何よりなのでうれしいことでした。
この遠すぎる距離を縮めることにするか、それとも干潟に行くかで迷っている間に、飛んで行ってしまいました。
「アーアー」
私も久々のチョウゲンボウだったので残念でしたが、とにかく干潟に向かいました。
干潟で観察を行う場合、やはり何よりも大切なのは潮周りです。やはり大潮の日が一番鳥が近くなるのですが、今日は残念ながらそうではありません。しかし、遠くからでも干潟の先にかなりの数の鳥がいるのが確認できました。
そして海沿いの道には大きなフィールドスコープ、望遠鏡が二台ほど立っていて、それを覗いている方がいらっしゃいました。
「こんにちは、何かいますか? 」
「ヒシクイと、ヘラサギが来ているんですよ」
「え! ヒシクイ!! 」
知らない方の前でおばさんは小躍りをしてしまいました。
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