第29話人間の性
「オオメダイチドリだって」
「え?メ ダイチドリじゃなくて? 」
主人が色々調べた結果そう判断したようでした。出社前には
「多分メダイチドリだろうね」
と話していたのです。
メダイチドリとオオメダイチドリは写真で見る限りそう極端な差はありません。ですが嘴の長さがオオメダイチドリの方が長いのです。
「長いかな? 」
「疑う気か? 」
ちょっとしたバトルの気配がしたので一度は回避しました。しかしながらこの二種には、一番の特徴の差が存在したのです。それは足の色、オオメダイチドリは黄色いのです。しかしこの色というのがまた問題で、光の具合によって確認しにくいことがままあります。
そして何より「オオメダイチドリ」の方が日本で確認されている数は少ないく、人間の性(さが)でどうしても「珍しい方」という希望的観測がなされてしまうのです。
しかし、私たちは他の方の野鳥のサイトを見ながら、
「メダイチドリって書いてあるよ、おんなじ場所で撮った人が・・・・・・」
可哀そうですが、確かに主人の写真のチドリの足も、よーく見ると暗緑色、メダイチドリの足の色です。
「いいや! どっちでも・・・」
という可哀そうな捨て台詞でこの件は終わりました。
しかし私はどちらでもいいのです、今度の休みに会うことができれば。
「お前、FZ使えよ、俺ミラーレス使うから」
「え? 」
「何故こうなったのかしら、ちょっとした仕返し? 」
と思ってしまう今日この頃です。
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