第27話コシアカツバメ

 

日本中がうだるような暑さですが、皆様はどうお過ごしでしょうか?


「行くんですか? 」


昼休みに職場からいつもの川辺に行くのに、ガードマンさんが心配そうに言ってくださいました。しかし草と土の所ではなんとか

「過ごせる」のですが、その後帰る時のアスファルトからの放射熱で肌が焦げるよう、来年のオリンピックは大丈夫かしらと思います。

しかし、夕方私が帰る時間に主人はある鳥に夢中です。それは


「コシアカツバメ」


ツバメにそっくりなのですが、背中側から飛んでいる所を見ると、ウエスト部分がオレンジ色をしています。二日前二人で撮ったのですが、ほとんどが、ただシャッタ―をやたら目ったら切っているだけでした。


「早い! 普通のツバメより早い! 」


主人はそう感じるようです。翼も少し広めで、胸にはハヤブサの幼鳥のような縦縞があり、とても立派な「燕尾」もあります。二年前、主人は海辺に彼らを撮影に行きました。もともとは海辺にいる種類なのです。私たちの住んでいる所は、後十キロほど行けば干拓された海にはぶつかりますが、彼らの営巣地はそれからさらに先にありました。


「遠いものな・・・」


とあきらめていた一年、しかし幸運は本当に突然で、なんと主人の職場に彼らが巣を作ったのです。

彼らの巣はまた普通のツバメの巣とは違います。ツバメはおわん型ですか、彼らのものは「とっくり型」で入り口はとても狭いのです。


 作りたての巣から顔を出している所、昼の二時ぐらいに彼らが電線で休憩している所、そして夕方は食事、そしてそのあとの「飛びながら」の水飲み、と主人のコシアカギャラリーは増殖中です。

しかし私が行った時見たのですが、二羽のツバメが喧嘩なのか戯れなのか高速で飛び回っていました。帰って確認するとそれは

「ツバメとコシアカツバメ」で、一方が先になり後になりということを繰り返していたようです。餌場なので取り合いをしていたのかもしれません。


しかし本当に彼らは「早い」ので、私は早々に諦めて「電線に止まって! 」と思ってしまいます。


「ハヤブサみたい」


と主人は言っていますが、私はこれも二日前、電車の高架に止まっているハヤブサを見ました。


「私はハヤブサを」


昼休みの格闘は続きます。


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