第25話サンコウチョウのメス
昨日の昼過ぎに主人から連絡がありました。
「撮れた!! サンコウチョウのメス!!! 」
毎年彼らが営巣している公園に出かけていたのです。その後姿を見せてくれなかったので、別の所に移動して小さな椅子に座って
「ヨシゴイ」という鳥を待っていたのですが、一枚だけ飛んでいる後ろ姿を撮った後、暑さに負けて帰ることにしたそうです。
「見せて見せて! 」
と急に降り出した雨の中帰ってきた主人に、鳥果をねだりました。
「最初にソウシチョウとかヤマガラとかが出てきて、あれ? ちょっと違うのがおる、と思ったらサンコウチョウのメスやった」
ということでした。いろいろな鳥の種類が混じって群れを作ることを「混群」というのですが、大体冬場に見られることが多く、集団防衛のためだと考えられています。
しかし、なわばり意識が強い鳥にとっては、他の鳥たちがやって来て「追い払う」的なことなのかもしれません。
「小さいんよ、ホオジロ、ヤマガラと同じくらい」
確かに枝の大きさに比較して、普段見慣れている「ザッツ小鳥」サイズです。どうしても図鑑で大きさを書いていても、尾の長さまで含めるのでピンとはこないのです。
「枝被りの証拠写真」と主人は言いましたが、私は大満足、
メスとは言え、アイリングがあり、オスに比べて茶色いのですが
とてもかわいらしいと思いました。しかし気になることが一つ、
彼女の羽はとてもきれい、きれいすぎるほどなのです。かと言って幼い感じはありません。
「雛を育てられなかったのかしら」
今年、その公園でサンコウチョウの巣のあった木が土砂で倒れてしまったそうなのです。主人も「鳴き声は聞かなかった」ということでした。
繁殖期が完全に終わってしまえば、囀らない鳥もいます。ヒバリも、うるさいほどのオオヨシキリも鳴かなくなりました。オオヨシキリはもしかしたらどこかに移動している可能性があるのですが、ヒバリは数日前、多分親子を撮りました。彼らはずっといるようです。
「でも、一度駄目でももう一度挑戦するかもしれないし」
二人で話しました。
去年の今頃、別の鳥で、私たちはその度重なる挑戦を目撃していました。
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