第16話恐竜の子孫

鳥が恐竜の子孫ということが分かった時に、今更ながら感心したのは


「学問ってすごい、鳥盤目って分類されていたものね」


そう思われた方も多いのではと思います。しかし、よくある生物上の面白い意外性で、鳥の直接の祖先は鳥盤目ではなく、竜盤目の恐竜だということです。

遺伝子上のものらしく、そのことを基準に考えると、今お話ししているハヤブサは、「インコ」に近い仲間だということに現在は位置づけられています。


 この事が判明した時に、スズキのバイクの「隼」の愛好家が落胆したという話を読んだことがあります。車、バイクの免許を持たない私にはちょっと面白い話でした。だからと言ってハヤブサの魅力が変わるわけではありませんが、他の鷹と比べたら確かに「目が大きい」のです。目の大きさはどうしても「可愛さ」につながって、その上人に慣れやすいインコの仲間なので、バイク愛好家としては消したい事実なのかもしれません。


 しかしながら前回でお話ししたように、彼らの足は本当に太くてしっかりとしています。まさに恐竜のものです。私たちは簡単に鳥の絵をかくときに足を線だけで表わします。これは本当に真実で、ハヤブサを見て以来、遠くの電線に止まっている鳥の足の細さで「ああ、違うな」と思うようになりました。案の定カラスの時がほぼです。


 一度見てからは、ハヤブサを度々見かけるようになり、というか、発見できるようになりました。彼らは「いる」のです。ですが面白いことに三日連続で同じ場所で見ると、今度はしばらく姿を消します。そしてまた現れたと思うと数日とどまって、の繰り返しです。ずっと同じところで狩りをすれば、やがてはその場所に他の鳥が来なくなってしまう、と思っているのかどうか・・・それは定かではありませんが、人間も「三日坊主」という言葉があるくらいですから、彼らにとっては良いサイクルなのでしょう。



二年前の冬の朝早くの事でした。いつものように私は鉄塔にハヤブサを確認しましたが、その後

「ミャーミャー」という声を聞きました。

「ハヤブサが子猫でもつかまえたのかな、鉄塔の上じゃ助けられない」

まずそう思った自分に「じゃあハトは可哀そうじゃないのか」と自問自答しましたが、こればっかりは哺乳類意識なのか、とにかく子猫を探しました。

しかし、それらしきものはいません。


「これ・・・ハヤブサの鳴き声か・・・・」


確かに猫の声よりも少々鋭く、叫ぶような声で、だいぶん前にユーチューブで聞いたのを思い出しました。

それ以来我が家では、ハヤブサ発見時

「ミャーがいた」

と言うようになってしまいました。


「いいなあ、お前はハヤブサが見れて・・・」

主人のその羨望が私にさらに幸運を呼んでくれたのか、一度だけハヤブサの10メートル以内に近づけたことがあります。きっと私のサザビーでの最高傑作

何故なら写真はほとんどの場合

「近いほどいい」

からです。

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