第10話日本三大鳴鳥
日本三大○○というのはいろいろなものに、風景に存在します。この日本三大鳴鳥と言うのは「日本にいる鳴き声の美しい鳥」で、まずはウグイス、これはずっと日本に住んでいて、こういう鳥を留鳥(りゅうちょう)といいます。後はコマドリとオオルリ、この二つは夏に日本にやって来て繁殖、子育てをします。それが終わると東南アジア方面に帰って行ってしまうので夏鳥(なつどり)といい、コマドリはさらにサハリンまで行くものもいるそうです。
シンプルに日本三鳴鳥とも言いますが、我が家では実は
「オオルリよりもキビタキだよね」
と夫婦の珍しい完全なる一致を見せています。最大の理由は私たちは
「オオルリのさえずりは聴いたことがない」からかもしれません。
ネットであげられたものを聞いてはいるのですが、何度も聞いているキビタキの方が、澄み切った独特の鳴き方でよいさえずりのように思います。
「オオルリは美しいから選ばれている」これも主人と同意見です。
何故なら、「鳴き声も姿も美しい鳥」と言うのは案外少ないのです。コマドリはちょっとくすんだオレンジに青灰色という、自然でしかありえない配色できれいですが、じゃあタンチョウヅルやハクチョウはと言うと、まあ、これはご存知かと思います。
オオルリはスズメより二回りほど大きいでしょうか、その名の通り翼、彼らの背中は瑠璃色のオンパレードです。羽の縁の黒は本当にピンストライプで、凛としたアクセントになっており、目の周りからは急に黒と群青色の中間色となり、その色は首筋までで止まり、今度はすぐに真っ白になる。初めて見るとその美しさに驚きます。またオオルリは日本全土で繁殖するので、この時期見ることは可能です。
そう、私もオオルリは好きなのです、数日前に撮りました。まだ二度目なので、大袈裟ですが死ぬまで毎年撮りたい鳥です。
「ではなぜキビタキ? 」
今我が家のパソコンの初期画面はキビタキのメスの写真になっています。ヒタキの種類のメスはみんな地味な色をしていますが、それは子育てのためなのかもしれません。しかし顔つきがみんなどこか「女の子っぽい」ので、独特の愛らしさがあります。ジョウビタキという冬鳥はもうカラフト、中国奥地へ帰って行ってしまいましたが、そのメスを「ジョビ子ちゃん」と呼んでいる人は多く、私たちもその二人です。
しかし今パソコンの中のキビタキのメスは少しきついような顔をしています。
「ヒタキの仲間にしては、目つきがよくないよね」と私が言うと、女房の異変にそう敏感ではない夫が
「もう、うちの主人はナルシストなんだから、って言っとるんよ」
と答えました。
キビタキの学名はナルシシス、そうなのです、この鳥はギリシャ神話のナルシスの名を持つ鳥なのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます