第5話一番撮りたい鳥

 

カメラの話の途中ですがやっぱりこのことを書かなければ、お知らせしなければと思いました。

現時点で

「一番撮りたい鳥は何ですか? 」

と問われたら

「フクロウ」と私は答えます。フクロウにもたくさん種類はいますがウラルフクロウと呼ばれている、日本全土に住んでいるものです。

以前は数が減っていたのですが、私の住んでいる県ではその危険がなくなったらしく、絶滅危惧種から外されています。

その証拠でしょうか、数時間前主人が


「フクロウが鳴いた! 神社の方に行ってみたけど、わからんやった」

で今睡眠中です。

「ホーホー、ホーツクホーホー」が彼らの鳴き声で、後半の

「ホーツクホーホ」はかなり早く、ちょっとやっつけ仕事のような感じさえします。バードウオッチングをするようになって、この鳴き声を毎年聞いてはいるのですが「写真に収めた」ことはありません。

すぐそばまで行きはするのですが、夜の木の上、そしてカメラフラッシュは

「禁じ手中の禁じ手」です。バードウオッチヤー、暗黙の了解としてあるものですので、この点はご注意ください。故意ではなく鳥の巣をフラッシュで撮影して、その後親鳥が巣を放棄などと言うこともあるようです。実際に使用している人を見たこともありません。

ではフクロウに戻りましょう。


去年は私有地の竹やぶで鳴いたので、声だけ録音しました。

これは一昨年の事です。


「フクロウの声、近いね」

「お墓の方か」

「行ってみよう」と真夜中前に主人と行きました。

「この木だ・・・」お墓の大きな木の下二人で見上げても、暗くてまったくわかりません。主人はドムで声だけ録音しているので、私は何とか探しだそうとしていました。すると


「あ!!! 」


見たのです。空に浮かぶ大きく広げられた羽、その中心の小さな体、


「え! いつ飛んだ! 」私より耳のいい主人も気が付かなかった、これこそフクロウの真骨頂


「音のしない羽ばたき」


でした。




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