第3話初心者向けカメラの話1


 私の現在使っているカメラは二台ありますが、まずは毎日職場にもっていっている愛機の事からお話ししましょう。

三年前突然主人が買ってきた 


キャノン SX720 HS 


コンパクトデジカメ、コンデジと呼ばれるタイプで、最近は三万円ぐらいで売っています。その一か月前に主人は全く同じ黒のものを買い、私のものは色が赤、

「シャアレッド」とこの手の色を私は呼んでいます。

しかしこれから書く上で、このカメラのことを簡単に表記できた方が良いので


「サザビー」

と呼ぶことにします。


 熱心なガンダムファン、熱烈なシャア信奉者の方もいらっしゃるとは思いますが、


「ガンダムが面白い!!! 」


小学生の時、クラスメートのほとんど、特に男子の冷たい視線の中一人言い続けた私の黒歴史??に免じて許していただきたい。

そしてその後のガンプラブーム


「ガンプラ持ってる? 」下手気味に私に聞いたガキ大将に


「いや、私はあの話が好きだから」と復讐気味に上から答えた私。


少々問題のある女の子であったと今では反省しています。

ではカメラの話です。


 このカメラがどうかと言うと


「素晴らしくよくできている」


と言う他ありません。光学四十倍、その中で鳥を撮ればきれいに映ります。もってみると案外重いのですが、首にかけていると全く気になりません。でもそう、前回の続きからするとおかしな話です。


ベニマシコに出会ったのは一年前の二月。

「やった! ベニマシコ、ゲット! 」

同じ主人のカメラ「ドム」(ガンダム黒い三連星から命名)にはきちんとベニマシコが、その美しい色が映っていました。


「撮れてない? 全く同じカメラやぞ! ピントを何度も合わせ直さんからよ」


私だって何度もそうしたのです、でもそうしている間に飛んで行ってしまったのです。


「位置が悪いんよ、明るい所に行かんから」


こればっかりは主人の言う通り、バードウォッチング歴は主人の方が半年ほど早いので仕方がありません。

カメラが悪いのではなく、私の操作能力、行動力不足でした。


 サザビーは小型のカメラです。カメラを映すのには絶対的に光が必要になります。カメラのレンズが小さければ小さいほど、またその奥にあるセンサーも小さければ、その力は弱くなってしまいます。

ですからプロのカメラマンは重くても大きなレンズのカメラを使うのです。その奥のセンサーも最大級です。

一方私のサザビーのセンサーはコンデジとしては一般的な1/2.3型

かわいそうに俗称

「豆粒センサー」

と呼ばれているものです。最近のスマホにはこのセンサーが内蔵されているものもあるので、格段に映りが良くなっています。

センサーによってカメラ値段が決まると言っても良いかもしれません、もちろん例外もありますが。


 ではベニマシコを見つけた時に私のカメラはどうなっていたのか、まあ、想像なのですがその時のサザビー君の気持ちになってみましょう。


「何だ! 昼間といえど冬の曇り空は暗いぞ。枯れすすきの上の茶色いもの、動いてるな、ちょっと赤もあるが、色が似ていて判り辛い、迷彩色か! 急に倍率上げてもこの性能では無理だ! 場所が悪い、早く移動して光を受けるところを探し出せ、ええい! 」

言葉遣いをシャアっぽくしてみたものの、多分一分間そうしている間に飛んで行ってしまいました。


一分、そうなのです、撮影時間はそんなものなのです。カメラや双眼鏡を覗いていて、鳥のように見えるものがあり、そのものが五秒間動かなければ私は「鳥ではない」と判断します。実際、葉っぱだったり、石だったりします。大きな鳥、猛禽などは別ですが、小鳥は全くじっとしていません。スズメは人間になれているせいもあるのでしょうが、小鳥としては「動きの遅い」部類なのです。


 ですからバードウオッチヤーは光を多く取り込め、すぐに反応するものが欲しいのです。大きな長いレンズ、その中にさらに拡大鏡を付け、本丸は最高のセンサーを持つカメラ。しかしあの大きなカメラにはどうしようもない欠点があります。

それは旅行の時の私たちの会話でわかるでしょう。


「あれ? FZ(後述のカメラ)持って来なかったの? 関東には珍しい鳥がいるのに」

「だって重いもん! 」


年を取ると特にそうなってくるのです。

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