Paper bush-ミツマタ
僕のお父さんはスーパーヒーローだ!
お父さんのお仕事は、レスキュー隊って言って、超かっこいいんだよ!オレンジ色のかっこいい服を着て、毎日いろんな人を助けてるんだ。たまに怪我をして帰ってくる事もあるけど、心配するお母さんに笑ってこう言うんだ。
「ただのかすり傷だ。生きている、それだけで幸せだろう」
いつも命をかけて命を守るお父さんの体は強い。家でも筋トレをしているんだけど、僕はお父さんの背中に乗って腕立て伏せを手伝うんだ。僕はよくお父さんの真似して筋トレをしようとするんだけど、これがなかなか辛い……
どうやったらお父さんみたいに強くなれるの?って聞いたら
「守りたい人を見つけたら、男はみんな強くなる。俺はお前と母さんだ」
僕は手っ取り早く強くなる方法を聞きたかったからそのぼんやりした答えに少ししょんぼりしたが、すぐに、それすらもなんだか大人っぽくてかっこいいと思えた。
忙しいお父さんだが、休みの日は必ず家族と過ごしてくれる。この前も家族みんなでテーマパークに行ったんだ。僕がやりたいと言ってみんなで入った迷路。お母さんが僕を隊長って呼んでくれるから、頑張って進んでいたんだ。すると急に、目眩がして……目眩じゃない、地震だ!と気づいた頃には、期間限定で作られた迷路の鉄骨がガシャガシャ歪んで、僕は気がついたら地面に伏せていて、重くて息苦しいけど動けなくて、何かが崩れる音とたくさんの悲鳴だけが聞こえたんだ。
分かっていた。僕とお母さんの上に覆いかぶさっていたのはお父さんだった。救急車で運ばれて、三日も眠っていた。三日目の朝、目を覚ました。
お母さんは安心したのか、お父さんの上に泣き崩れた。
「ただのかすり傷だ。お前たちが生きている。俺はそれだけで幸せだ」
僕は涙で歪むお父さんの顔を見ながら思った。
僕のお父さんはスーパーヒーローだ!
花言葉〜強靭・肉親の絆〜
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