第5話 それぞれの過去 後編

私は魔女だ、それだけで行く先々で酷い迫害を受けた。差別ともいえるかな?


(何も悪いことなんてしてないのにな…)


魔女の特徴として、髪の色や瞳が鮮やかであったりする。

今でこそ隠す努力をしているが、なにもしないと目立つにもほどがあった。


深紅の髪、そして毛先にゆくにつれ桜色になる不思議な髪の毛。短くしても桜色の部分はまた表れる。

瞳は明るめの緑である。

…植物みたいな配色である。


そんななか訪れた村で疫病が蔓延していた。

なにもせずに立ち去ろう、そう思いはしたものの、駄目だった。

あっという間に治る病、不思議な力、異質な見た目、そんな私を村の皆は快く受け入れてくれた。


そしてある日、何もかも村に溶け込み、平凡な日々を送ってたある夜、少女が来た。


アレクシス、あなたが私のもとに送られた理由は二つあるんだよ。

ひとつは私が裏切り者であると言うこと。

もうひとつはあなた自身が…自害すること。

神の思い通りになんかさせない、私は昔からあなたを知っていた。

わたくしは”不死鳥の魔女“イリス・フューリー。


…本当のことなんて言えない。

でもね?もうひとりじゃないよ、ひとりにしてごめんね。姿形は違えど、あなたを思う気持ちは変わらないよ。


…でも勢い余って契約なんてしちゃった…まあ…問題ないよね…?…親バカ…かしら…


薄れ行く“前世”の記憶、今のイネスとしての私が、あなたをちゃんと支えるはずよ、またいつか、話を聞かせてね。

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予言執行教団の暗躍 @sakuteru

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